報いるということ

Final D8000ファーストインプレ記事の最後にて

 

rays.hatenablog.com

リケーブルについては純正シルバーコートもありますが、その前に試してみたいことがあるので先方と打ち合わせ中です。

 今回は、その答えについて書くのがメインとなります。

 

 これまでHD800に使っていた102SSC16芯編み込みケーブルを、製作者のE4UAさんに依頼してプラグをD8000用に改修して頂きました。

 

HD800にて使用していた際のインプレは以下過去記事になります。

rays.hatenablog.com

D8000標準ケーブルとの比較になると、意外にも低域の量感は標準ケーブルの方が多く感じます。

その代わり中域がよりフォーカスされて、元々暗めな雰囲気だったのが明るくなります。相対的に中高域の量が増えると、全体の雰囲気が陰性から陽性になる典型的な例です。

102SSCの素線としての柔らかい表現は、そのままD8000でも発揮されています。ヘッドホン自体の描写能力や帯域バランスがHD800よりも向上しているので、素線の差が明確に感じられます。やはり音像輪郭のキレ味ではなく弾力やグルーブ感を引き出す方向です。

音楽全体としてのまとまりも、102SSCの方が好みです。標準ケーブルだと低域だけ別動隊で鳴っている印象があります。

 

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 去年の12月に、HD800リケーブルについて仕様検討を重ねていた際に、E4UAさんからの返信で以下の文章がありました。

16芯の編みこみはとても時間のかかる作業でもあり、これが全長200cmだと2日か3日がかりでの作業になります。

 

当然作業工賃も通常より割り増しですしトータルで10万円超えました。それでも「自分にそれだけの時間を割いてもらっている」という事実があるわけです。

このような実感って普段の日常生活の買い物では湧いてこないものです。作り手と買い手の間に、売り手となる人や企業が介在して、それが見えないような構造になっているから。

 

「これは大事に使わなければならないものなんだ」

使ってみて好みに合わなかったから、もしそういう結果になったとしても、簡単に放り出してはならないんだと。「自分の音」にしなくてはと、そう思いました。

結果としては、最初から非常に好みな音として鳴ってくれました。しかしそれは今私が書いていることの本質ではない。

 

今後のメインはHD800ではなくD8000です。このケーブルを今後寝かせてしまうのはあまりにも寂しいと思い、プラグの移植によってこれからも付き合っていきたいと考えたのです。

それが、あのとき私に費やしてくれた労力に、報いるということではないかと思うのです。

 

永くお使いただけますと嬉しく思います。

 

はい。もちろんですとも。