Final D8000 First Impression

 HD800を4年間使ってきましたが、ようやく更新です。Final D8000が今後のメインとなります。

前回の記事でFocal Utopiaをお借りした感想を書きましたが、結果的にはUtopiaは選択肢から外れることになりました。

www.bergamotflavor.com

環境の粗を容赦なく曝け出してしまうUtopiaですが、特に高域の質感については非常に敏感なのでした。Utopiaをメインに据えるのであれば、DACと電源系にも相当奢ってやらないとバランスが取れません。

特に「違和感を無視して長期間聴き続ける」ことができない私には死活問題となります。システム全体の底上げを行うまでの潤沢な予算は持ち合わせておりませんし。。。 

よって、情報量は同等クラスに備えていながらも少し方向性の異なるD8000に希望を見出すことにしたわけです。

 

さて、このD8000はヘッドホン祭の会場特売で購入しました。

祭の特売は整理券をもらって指定時間に入場する方式になっていますが、私は昼過ぎに中野に到着したので15時以降の入室フリーまで待つことにして、それまでは各フロアで試聴して回っておりました。

といっても、半分ぐらいの時間は逢瀬で試聴したりyohineさんとお話していたような気がします。。。

ause-audio.com私が近年注目している新進気鋭のメーカーです。かなりユーザー目線まで下りてお話して頂けるので、他のブースとは違った空気感もあります。

逢瀬については次回記事で詳しく取り上げます。

 

話を戻して購入の経緯です。

15時の特売会フリー入場で特価品リストの一覧を確認するとFinal D8000がありました。

在庫は2台で既に売り切れているだろうとは思ったのですが、駄目元でスタッフさんに確認してみたら何と現物が出てきました。定価388000円が特売で318000円だったので即決です。

先ほどの逢瀬でUtopiaとD8000を両方聴くことが出来て、より可能性を見出せたのがD8000だったのも後押しするポイントとなりました。

 

-Sound Impression-

低域の再現性は現在あるヘッドホンの中で間違いなくトップでしょう。

HD800が薄く軽い音に聴こえてしまいます。そしてUtopiaでさえここまで深い、本当に低い帯域までは出てないと思います。

ただし輪郭の描き方はダイナミック型であるHD800やUtopiaの方が明瞭です。D8000は音像周辺の空気を一緒に取り込んでくるような、やはり平面駆動型の鳴り方でしょう。

プレーナー型を例に挙げてHiFiMAN HE1000でもこのような傾向はありましたが、こちらは音のスピード感が遅い印象で速いビートの刻みに対して前の音と後ろの音が団子繋がり的に流れていく感じでした。そしてやはり実在感や重み、レンジの広さといった点でD8000とはかなりの格差を感じます。

D8000の低音は量感がありながらも立ち上がりがとても速いので、HR/HM系の音源ではD型のキレの良さとはまた違った魅力があります。

 

中域は、この量感たっぷりな低域に埋もれずしっかりと主張があるのでバランスが取れています。Vocal表現はHD800で時折感じる子音のキツさがD8000ではだいぶ和らいでいるので聴きやすいですし、Utopiaでは若干冷静に感じる表現をより音楽的に寄せてくれる印象です。

 

高域はUtopiaほど敏感ではないものの、やはり質感は環境のグレードが反映されるように思います。現時点で自分のシステムではほんの僅かなピーク帯域が常時見えている(聴こえている)状態です。音楽的に邪魔をしない範囲ではありますが、ここは時間をかけてでも解決していきたい項目ではあります。

 

総評としてHD800よりはあらゆる点でランクが3段階ぐらい上(ただし空間の絶対的広さは音源による)で、Utopiaほど上流によって破綻するまでは極端な方向へ行かないので、ちょうどいいバランスだと感じています。

何より全域で音の密度が濃くて実在感が強いのが特徴で、しかも音像の外側の輪郭を過剰に意識させずに内側の豊富な情報量を受け取ることが出来る、良いヘッドホンだと思います。

リケーブルについては純正シルバーコートもありますが、その前に試してみたいことがあるので先方と打ち合わせ中です。