やりすぎないこと、見えすぎないこと

1.ゲスト出演しました

先月、Focal Utopiaを2週間ほどbergamotさんからお借りしていました。

その感想をブログに掲載させて頂いております。ぜひご覧ください。

www.bergamotflavor.com

以前の、HE1000とオヤイデ銀16芯ケーブルの件も含めまして、私からも何かしらネタになるものを提供したいなと思ったので、HD800に平常使用している102SSCの16芯ケーブルをレンタルしてみることに。

Utopiaを返送する際に同梱して発送しました。

 

同じHD800の、導体容量も同じ16芯における銀線と102SSCの比較という視点でreviewして頂きました。

 

 

 

先方の環境はHPAにOJISpecialをお使いなので、低域の弾力性に関しては当方の音より再現性が高いと思われます。それでも、「音の放散」「密度を高めつつも音場を狭めない」などの項目は、こちらでも確かに感じます。

 

2.ヘッドホンの更新を、考えてはいたのだけど

そもそも冒頭に戻ってUtopiaをお借りした理由は、4年間使い続けたHD800からそろそろ更新したいなと思い立ったからでありますが。

結局2週間使ってみて、このヘッドホンを実際に購入する決断をするには、なかなか難しい存在だと感じました。

HPAに求められる駆動力よりも、DACや上流の電源に非常にシビアなヘッドホンです。

Utopiaで初めて「マルチビットDACのデメリット」に気づくことができました。

高域で目が粗くなっていくのが手に取るようにわかってしまって。。。

また、ケーブルで音色を寄せていくことの弊害についても。

HD800も環境の反映力はそれなりにあるんですけど、Utopiaまではシビアに描かないので、気づかずにごまかせていた部分がかなりあったということですね。

 

その後、HiFiMANのANANDAが、HE1000シリーズのような極薄平面ドライバーを10万円を切る価格で載せてきたと、各所で評判なので私も試聴してみたんですが、「HD800と2台併用するにしても、あまりピンとこない音だなぁ」と思い、これもパスしました。

 

また海外フォーラムでは、HE1000 V2のドライバーをEditon X V2の筐体に入れたARYAというモデルが話題になっています。日本でもそう遠くないうちに発売されるでしょう。

www.innerfidelity.com

国内実売18万ぐらいだと見ています。

音色だけで評価すればUtopiaよりHE1000の方が好きだったので、期待してはいるのですが。

 

3.HD800本来の音に立ち戻る

さて、102SSCケーブルを先方に貸し出しているので、約1年ぶりにHD800を標準ケーブルに戻して聴いています。

若干の低域方向の物足りなさ、銀コート線による子音の僅かな付帯音など、気になる点もあることにはありますが、音楽的なまとまりや繋がりの良さは標準ケーブルの方が完成されていると思います。

そしてこれが、やはりSennheiserの目指す音楽性であり、HD650の延長線上にHD800が存在するのだと理解できたのです。

 

Sennheiserの音楽性とは、「明るさの中にも陰りを含む」絶妙なバランスにあると思っています。それでいて、意識すれば見通せるけれど、これ見よがしに全てを掲示しない、ある意味での奥ゆかしさと言いますか。

リケーブルすると、まずこの「見える部分が拡大する」わけですが、すると今度は音楽としてなぜか単調に聴こえてしまうことがありました。

 

4.リケーブル変遷

かつてのHD650は、標準ケーブルのままではもやもやしてつまらない音と評する方も多く、実際に過去に私もリケーブルしてみたことがありました。

まだDACとHPAが一体になった複合機でお手軽に楽しんでいた時期のことです。

NuForce UDH-100、ONIX DAC-25Aという傾向の違う機種を併用していました。

Zu mobius MK2とUDH-100の組み合わせは、もはや今思うと本来のHD650とはどんな音かわからないくらい、ドライでかさついた音ではなかったかと。。。

パシフィックオーディオ [製品案内-zu-ヘッドフォンケーブル]

 

さて、HD800リケーブル第一弾として選んだFURUTECH iHP-35Hxは、この代表みたいな存在でして、数カ月で使わなくなってしまいました。

クッキリハッキリした音にはなるんですけど、ロジウムメッキのせいか余計子音は目立つ結果に。。。

その後、ヤフオク経由でオーダーしたオーグラインのケーブルを長く使うことになります。

導体が4芯と控えめなので空間の奥行きは浅くなりますが、中高域の艶と繊細さが非常に気に入っておりました。このケーブルの作成者様はHD800の特徴をよく理解されていると思います。

 

そして現在の3本目が、過去記事で紹介しました102SSC16芯編み込みケーブルとなるわけです。

rays.hatenablog.com

このケーブルでは基礎性能の向上を狙いつつも、なるべく音の角を立てないように、導体とプラグの選定を考えてオーダーしています。

銀線や銀メッキ線を避けて、銅の中でも表現が柔らかいと思われる102SSCを。

ロジウムメッキのフォーンプラグでは輪郭が立ちすぎて音の繋がりの自然さを失ってしまうので、Viablueの金メッキ。

私からは特に指定はしていないのですが、ケーブルの編み込みピッチが緩めだったことも、音を締めすぎない方向に作用してくれているように思います。

 

5.解像度も分離も求めなくなって

 最近購入したORB HC-150ACW 電源ケーブルが非常に好感触だったので、それにアタッチメントする電源コンディショナーを継ぎ足してみます。

このスチールボックスの中にはフィルター回路は入っておらず、金メッキされたバスバーが格納されているようです。

人によっては解像度が落ちた、鮮度が下がったと聴こえるかもしれません。機材の直前に接点を増やすわけですからその方向に作用するのは当然であって。

それでも、ORBのアクセサリーに共通する色彩感の豊かさ、声の色艶、音のスムーズな繋がりは、まさに私が求めていた方向性と一致します。

 

このところ、音の輪郭を立てて分離を向上させていっても音楽的な満足度が全くプラスに働かないので、むしろこれらの要素をどんどん落とす方向にさえ舵取りしている有様。

ヘッドホンアンプも、DCHP-100から真空管のアンプにいつしか置き換わっているかも?