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DCHP-100 追記 (「無線と実験」誌を参考資料に)


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記事の中身は当然写真で公開できない。

内部画像は公式HPにて。

まず、信号経路としては、

セレクタ

 →Lパッド型アッテネーターVR

  →表面実装ディスクリート構成15dbフラットアンプ(0db設定でバイパス)

   →DCアンプ構成バッファアンプ(半導体+CR)

となっている。

このうち、音質の肝となっているのは、やはりアッテネーターとバッファアンプであろう。

確かにフラットアンプの出来も悪くないのだが、やはりこれは音量が足りる場合はバイパスさせた方がずっと音質が良い。

ひとつ加えて、電源の安定化回路か。こちらもディスクリート構成。

電源トランス自体は、それほど巨大というわけでもないが、電源供給において重要なのは、むしろ平滑コンデンサの総容量が実用時の消費電力をしっかりカバーできているかであるようだ。

 

内部構成の話に移ろう。

面積的(?)比率で言えば、右側半分はセレクターロッドとアッテネーター部で占められており、特にセレクターロッド周辺は空きスペースが多い。

しかしアッテネーター部の精密さについては、まさに圧巻。

2011年当時、ヘッドホンアンプにこれほど手の込んだVRを投入した機種はなかったように思う。

確かにRK50のような超高級VRを採用すれば、このアッテネーターと同ランクの音質は得られるだろうが(KH-07N等)、あえて自ら開発したアッテネーターに拘る姿勢に半導体技術者としてのプライドが感じられる。

 

さて、DCバッファーアンプ部であるが、非常にコンパクトな設計であることが窺える。

最初はこの小さなバッファアンプ部を見て、「なぜこんな(もちろん良い)音が出るのか」と不思議でならなかった。

だが、本当は逆なのだ。アナログ回路はできるだけコンパクトで、部品点数が少ない方が、音を汚さないのである。

槍玉に上げるようで忍びないが、luxman「P-700u」を比較対象とすると、こちらはフルサイズの筺体にぎっしりと部品が実装され、配線はあちこち引き回されている。

一聴して華やかでエネルギッシュな「印象に残る音」ではあるが、しばらくすると音の見通しが曇っていたり、輪郭の滲み、高音の金属的な響きが気になってしまうようになる。(この傾向はRCA入力→シングルエンド出力で強く感じるが、フルバランスでも完全に消え去ってはいない)

これは音楽信号が多数の部品と線材を通過することによって、その度に本来の音には存在しない情報が付加されてしまうからだと、私は考えるようになった。

例えば抵抗やコンデンサひとつ取っても、それぞれが異なる特性を持っているのであり、内部配線は言わばオーディオケーブルそのものなのだから、これもまたそれぞれ違った音の癖が存在する。

DCHP-100に話を戻して、次に周波数特性であるが、帯域幅はDC~3.6MHzと非常に広い。

もちろんハイレゾマークなぞ貼られていない

このため、DACの高音の癖やその他外来ノイズによる高調波の影響を受けやすいところがある。この対策として、ローパスフィルターをかける「Preference」スイッチが搭載されているが、私はこれを適用(Purifired)することは推奨しない。(Straight = OFF)

ローパスフィルター自体が可聴帯域にも影響を及ぼし、音の鮮度が低下してしまうと感じる。

DACに相当奢ってやっても追従性は高いはずだ。次のオーディオ投資計画はDACの優先度を上げている。

 次いで、S/N比はフラットアンプをバイパスすると124db(A-weight)も稼げるという超高性能である。

普通はA補正110db~115dbも出れば十分高性能なのだが、ここから3倍(10db)改善するというのは非常に難しいように思う。

これは音質にもしっかり現れており、とにかく微細な情報を拾い上げる能力が高く、空間の見通しの良さが際立っている。


最後に、実用上の使いこなしの面で捕捉を入れたい。

DCHP-100の低音が緩いという評が散見されるが、おそらく上流のジッター対策が甘いためであると想像する。

購入前の視聴に30万円クラスのCDPをセッティングしてもらったが、確かにそのときは低音に関しては緩さを感じた。

購入後、自室でIntensoから音出しをすると、視聴時の低音の緩みは全く存在せず、安堵した記憶がある。

これはおそらくCDPのジッター総量が、単体DACより相当多いということではなかろうか。

ジッター対策は、高音よりむしろ低音側に効く。

(ジッターについては、また後日トピックを立てよう)