PC Audio システム全景

DAC更新後、それに伴う微調整にある程度目途が立ちましたので、ここで一度全体図をまとめておきます。

各機器のreviewは、後々twitter上で発展させていくかもしれませんが、この記事では詳細には踏み込みません。

 

 

電源の上流から順に記述していきます。

 

壁コン(特に交換していません。2個口の経路をそれぞれ①、②で示します)

 

① SAEC AC-6000 (30cm) + JODELICA ETP-850CU , 320CU(プラグは2ピン仕様に変更)

 →Acoustic Revive RAS-14 (ACスタビライザー)

  →J1 Project PT2PDG (電源タップです。2個口の経路をそれぞれ (1) , (2)で示します)

(1) nanotec systems PS-3J

 →MHDT Labs PAGODA DAC

(2) Purist Audio Design AC TANTUS (oyaide M1 , F1プラグへ交換)

 →Audio Design DCHP-100

 

② Audio Current ALT-150(クリーン電源)

 →notePC (core i7)

 

☆HeadPhone :Sennheiser HD800

page.auctions.yahoo.co.jp

リケーブルしています。長さ230cm、プラグはフルテックFP-704でオーダーしました。

 

 

その他アクセサリー類の記述に移ります。

 

☆ USB cable (USBアイソレーターを介しているため2本あります)

 ① oyaide Continental 5S V2

 ② kripton UC-HR

☆ USB isolator:JCAT USBアイソレーター

☆ USB filter:ifi audio ipurifier2(JCAT USBアイソレーターの手前に接続)

DDC:ifi audio iONE

☆ Digital Cable:Chord Shawline 

☆ interconnect cable:wireworld Gold Eclipse 6 RCA

☆ audio board:

 ① Mistral EVA U-15(notePCに使用)

 ② J1 Project RB175250

www.audiounion.jp

スピーカースタンドの天板パーツをバラ売りしていたものです。

電源タップ PT2PDGに使用。

☆ insulator:kripton IS-HR50(PAGODA DACに使用)

 

最後にsoftware周りの記述です。

☆JPLAY

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JPLAYStreamerを介してLINN kinsky (Desktop)をプレイヤーに使用しています。

 

11/19 P.S.

ノートPCとクリーン電源のケーブルを、オーディオラックの左側から回すことで、狭い範囲にケーブルが集中することを回避しました。

さらにDACとHPAのケーブルは、交差させて接点をサンシャインのマグネシウムインシュレーターを敷いて床面と接触しないように対策してみます。

 

何とこれだけでだいぶ音質的に詰めの追い込みができてしまいました・・・

特にDDCをDCHP-100の上に置いていたのは致命的だったようで。

"LA SOURCE"

今回、非常に長文となってしまったので各所で目次を付記することにしました。

 

1. JCAT USBアイソレータ導入

 

 最近はDACに信号と電源を入力する手前の部分に注力しています。

今回は秋葉原のオリオスペックにてJCAT USBアイソレータを購入しました。

www.oliospec.com

USBケーブルが2本必要になったので、前段はオヤイデ Continental 5S V2を選定。

また銀線が増えました・・・

 

結果的に、USB信号と電源の再生成を3回も繰り返す構成になってしまいました。

(ipurifier2→JCAT USBアイソレータ→iONE)

ipurifier2については、iONEの手前に挿入すると音楽性が減退する結果となっています。

JCAT USBアイソレータのregenerateの質がipurifier2よりも高いということの証左でしょう。

また、現在はJCAT USBアイソレータの手前に挿入していますが、音楽性の減退は認められないが明らかな改善とも言えない、何とも微妙なラインに留まっています。

このあたりは経過観察が必要なようです。

 

 2.DAC探しの旅

 

さて、MHDT Lab PAGODA DACを導入してから半年が過ぎました。

それまで使用していたNorthstar Design Intensoも決して悪いものではないのですが、まるで出番がなくなっているのが現状です。

IntensoはESS製チップながら色彩感が良く出て、なおかつ低域の厚みも備えた、価格から考えると結構優秀なDACだと思いますが、高域のエネルギーバランスが強くて子音がどうしても刺さるのが難点でした。

電源BOXにJ1project PT2PDGを導入する等、帯域バランスの抑制を中心にテコ入れを進めていきますが、やがてこれにも限界が訪れます。

naspecaudio.com

価格帯としても10万円台前半のエントリークラスだったので、基本性能を向上させたいという欲も出てきました。

Intenso購入から2年後、新DAC導入に向けて様々な機種を試聴して回る日々が1年に渡って続きます。

私自身、ここまで長期化するとは思っていませんでした。

現在市場を席捲しているESSやAKMのチップを搭載したDACを中心に視聴していましたが、どれも一様に透明感があり綺麗な音ではあるけれど、何故か購入する気にはならなかったのです。

そして家に帰って自分のシステムの音を聴くと、試聴した時に欠落していた「何か」がそこには宿っていることに気が付きます。

帯域バランスは試聴したあのシステムの方が整っているのに、どうして高域もうるさくて刺さって、低音も明らかに持ち上がっている「この音」の方が楽しいのだろう。

「私にはこのレベルが分相応なんじゃないか。」なんて思いが頭に浮かぶこともありました。

 

転機が訪れたのは2016年8月。

Questyle CAS192D-G/LTDを視聴した日です。

当時の記事は簡潔な更新で終わらせてしまっていましたが、振り返って捕捉しておきます。

rays.hatenablog.com

結局これは最終的には購入には至らなかったのですが、試聴に奔走していた1年の中では一番心惹かれたDACでした。

一枚薄い膜をフィルターかけられる感覚はあるんですが、とにかく音の色が良く出ていて、初春の優しい光に照らされているような、そんな音だったのを覚えています。

 

対比として、2017年3月に試聴したexasound e22 mk2を挙げます。

「神経質な面はないのに、表情が見えない」んです。

試聴ソースに東方ロックアレンジサークル「サリー」の楽曲を持ち込みましたが、

「こんな冷静沈着なハードロックは、かえって不自然だ」と思わざるをえませんでした。

情報量はQuestyleのDACよりも多いのですが、それが私にとってはあまり重要ではないことに気が付いた瞬間でもありました。

「サリー」 公式サイト 同人音楽サークル サリーオフィシャルホームページ

 最終的に、私は現在使用しているPAGODA DACを視聴もせずに購入する決断をしました。

1年を要して、「これ以外にない」というものに出会えなかったのだから、今の流行となっている音は私の求めるそれと完全に方向性が異なっている。

ならば、もう「人の縁」に頼ってみようと。

(PAGODA DACは、あるtwitterのフォロワーさんから勧めてもらい、買い取る形でお譲り頂きましたものです)

 

3. オーバーサンプリングとデジタルフィルター

 

PAGODA DAC導入以降については過去記事で度々触れていますので再掲はしませんが、このDACは特に目新しい技術は活用されていないように思います。

現在主流となっているのは、デジタルフィルターを利用して入力データを192kHz等にオーバーサンプリングする方式ですが、PAGODA DACはNon over samplingであり、デジタルフィルターも使用していません。

ではなぜオーバーサンプリングするのかというと、一般的なCD音源:16bit / 44.1kHzでは、高音になるにつれてD/A変換するための基準点が少なくなっていくので、時間軸において微小な遅れの発生が避けられなくなります(これをジッターノイズと言います)。

音を不自然に硬くしたり、ザラついた質感を生み出す原因となる「らしい」ですが、高域においてもサンプリングの数を増やして、曲線に近づくように滑らかに繋げることでこれを回避する、そのためのオーバーサンプリングの手法であると私は理解しています。

 

私にしては珍しく技術論的なことを書いてみましたが、では実際にNOSのPAGODA DACの高域が荒いかと言ったら、全くそんなことはないんですよ。

むしろ、長年の悩みだった子音の刺さりが解消されたのです。

エッジを意図的に丸められた気配がないのに、刺さらない声をHD800で初めて聴くことができました。

 実は長年悩まされた発声の刺さりについて、根本的な原因は帯域バランスの偏りとは関係がなく、実はデジタルフィルターを使用することにより音の立ち上がり、立下がりが鈍ること(プリエコーとポストリンギング)が要因ではないかと最近は考えています。

 

*デジタルフィルターと子音の刺さりの関係については、詳しくは次回の更新で取り扱います。

 

4.スペックと音楽性

 

年2回のHPFESを含めて、この3年で視聴した機材はおそらく100は越えると思いますが、結局のところ「ある一方向からの理論なんて、まるで指標にならない」ことがよく分かりました。

例えば「オーバーサンプリングしているから高域の歪が少なくなる」というのは、確かにその点から言えば正しいのですが、扱う周波数帯域が広くなれば、それだけ筺体内で高周波ノイズが発生しやすい環境となります。

その対策が不十分であれば、結局は神経質で余裕のない音となって現れてしまうものです。

 

デジタル技術の進歩は確かに目覚ましいものがあり、最新の DACチップ(ES9038・AK4490)の公表スペックはもはや測定限界の天井に届きそうな気配さえ感じられます。

しかし「静特性」を重視して設計された機材からは、私にとってはその多くは音楽性が減退していると感じられるのです。

無論、これは両立できるのがベストなのですが、現代の技術をもってしても片手落ちになってしまうようです。

 

5.「やっぱり、聴いてみないとわからない」

 

カタログスペックって、聴感の印象と一致しないことがよくあるんですよ・・・

特に最近はS/Nが目覚ましく向上していて、90年代~00年代前半の製品から平均して10~15dbぐらい良くなっているんですが、最近の製品を聴いてみたらギスギスしてキツイ音でノイズっぽい・・・なんて感じたことがある人はそれなりにいるような気がします。

ES9018が急速に流行した最初の時期(2013年くらい?)は、割とこんな音を出すものが多かったような。

 

dbは対数表記であり、12db=4倍ということは、100dbが112dbに向上しただけでも相当音が良くなるんじゃないかって想像できてしまうのですが、実際の出音には色々な要素が絡み合ってくるので、その機材が本当に良いものなのかは「聴いてみないとわからない」のだと。

 

前回のHPFESで印象に残ったのは、EARのAcute ClassicとHP4の組み合わせでした。

 

セットで150万円くらいでしょうか。

解像度や情報量・音の分離といった要素では全く見合ってないけれど、そんなことはどうでもいいと思ってしまうほど音楽としての一体感、説得力に溢れています。

S/Nが90db、だからそれがどうしたってことですよ。

聴いた後で知りましたが、Acute ClassicもWM8741搭載DACでした。

やっぱりこのチップには、他とは違う何かがある・・・?

 

6. "LA SOURCE"

 

資本も人手も圧倒的な大手国産のDACの音が、出汁を取り切った後の抜け殻で(気に入っている方はすみません)、海外の小規模メーカーが、たったひとりで音創りを続けてきた製品と、音楽性において圧倒的に引き離されてしまっていると感じます。

やはり最後はヒアリングが重要であり、それよりも大切なのは設計者自身が日常的に音楽と親しんでいるか、それに尽きると思います。

ある理論に従って設計しても、それによって引き起こされるデメリットが最終的な出音において足を引っ張ってしまうことが常に起こりうるのがオーディオの世界なのですから。

 

私が過去によく閲覧していたblogから、ひとつ引用してみます。

dynaudia.blog26.fc2.com

 

「解像度が高い」と言っておけば、それだけでオーディオ機器の優劣を言い切ったようなつもりの人もいる。

 

 こういう人はまずHPでスペックを見て、それから視聴するという流れだと思うんですよね。

私は、もう公表スペックは視界に入れないようにしています。かつては私もそこを読んでいたクチなので、読んでしまうと少なからず先入観として植え付けられてしまうから。

そんなことで、本当に良い製品があるのに見逃してしまうのはもったいないですよ・・・

 

結局、普段聴いている音源を自らの感性に沿うように再生できるか、それに必要な要素は何か、ということであって、そこに「高解像度」が不可欠な方もいれば、そうでない人もいる。それだけのことだと思います。

 

人それぞれ、思い入れのある音源を楽しむための、「手段としての」オーディオなんです。

私の場合、DDCとUSBの電源周りに投資するようになってから、信じられないぐらい音楽性を引き出すことができるようになって、本当に毎日聴いてて楽しくて・・・。

でも、これも実は私にしか適用できない手法かもしれません。

ネットワークオーディオの理念にふさわしい音楽性とは

新幹線に乗って静岡県へ行きました。

数年前から親交のあるpetaさんが、来年ヘッドホンシステムを売却し、スピーカーシステムへ移行するとの告知がありました。

以前からpetaさんのシステムに興味のあった私は、自宅へお邪魔して聴かせて頂いた次第です。

twitter.com

 

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macPC→NADAC→BDI-DC24B→UTOPIAという構成です。

電源は、ISOTEKのTITANから直接HPAへ供給するのが1本、もう片方はPB-HR1000へ分配し、そこからDAC等が繋がっている形で、ケーブルはCHORDを中心に選定されています。

確か、総額は450万円くらいと仰っていました。私のシステムの約5倍です・・・

私が持参した音源バックアップ用PHDDをmacPCに接続し、再生したいフォルダをデスクトップにコピーして、それを手元のスマートフォンでリモート操作するという方法で聴かせて頂きました。

 

 かなり崩壊した文章ですが、感想としては上記のtweetになります・・・

本物の「ノンカラーレーション」であり。

違和感を覚える瞬間が皆無で。

私のシステムと決定的に違うのは、楽曲の音楽性の「掲示の仕方」です。

自室の音は、最初からONの状態で、OFFに切り替えられない。

また、どの楽曲も同じカラーの、色を後付けしたところしか出ていません。

個性の強い、複数の異なるケーブルを組み合わせているのが原因かもしれませんし、電源対策が不十分で微細な情報がまだまだ隠れてしまっていることも考えられます。

対してpetaさんのシステムでは、「楽曲に元々内包されている」音楽性を素直に引き出しているので、その様相は楽曲によって様々に変化します。

基本的には、僅かにモニター寄りでその音楽性は内部に仕舞われているけれど、少し意識を向けるとすぐにその世界に侵入できるようになっている。

こんな体験は初めてであり、ある種の「怖さ」すら感じるほど。

 

さて、今回の視聴では持参の音源を利用させて頂きましたが、petaさん自身は、普段はTIDALとRoonを活用されています。

TIDALはストリーミングサービスであり、Roonについてはこちらの記事を読むとだいたいの内容が掴めると思います。

www.phileweb.com

つまり、自らCDを購入してリッピングした音源だけではなく、クラウド上に存在する無数の音源を気ままに「偶然の出会いを求めて」彷徨うリスニングスタイルを可能にするということです。

しかも、タブレットスマートフォン等のリモート操作によって、家のどこからでも自由に音楽の海を移動することができる。

私が最近思うことは、こうしたネットワークオーディオを活用したリスニングスタイルの場合、これまでの典型的なハイエンドサウンド、豪華絢爛で音の端々に凄みを感じさせるような音は、あまり適さないのではないかということです。

日常生活を営みながら、やや小音量でBGM的に流していながらも、しっかりとオーディオ的クオリティを保ち音楽的な芯を掴める、そういうスタイルが似合いますよね。

その合間に、何か偶然的に心惹かれる旋律を耳にして、何か手を付けていることを中断してオーディオの音量を上げて、じっくりと楽しんだり。

こういうリスニングスタイルは、とてもスマートだと思います。

 

今、私はスピーカーオーディオを前提としてこのリスニングスタイルを想起してみましたが、petaさんのヘッドホンシステムは、ヘッドホンでこのような音が実現できています。

私はヘッドホンアンプの音量を10時ぐらいの位置にして聴いていましたが、petaさんは普段9時より上の音量にすることはあまりないようです。

(私の聴く音量が、特別大きすぎるということはないと思います)

小音量でも、音楽的な芯の部分を十分に把握できるヘッドホンシステムというのは、私は相当ハードルが高いと思っています。

 

こうなると、もはやヘッドホンという枠組みそれ自体が、物理的制約が最後の障害になります。

私は今もヘッドホンオーディオ続けてますし、デスクに向かって椅子に座ってヘッドホン装着して、ネット巡回しながらPCオーディオをやる「オタク」なスタイルが性に合っているんですが、やっぱりPCの前に身体が固定されるというのは窮屈に感じる方もいるのでしょう。

 

ヘッドホンシステムを売却されるにあたって、ではスピーカーシステムに何を導入されるのか、petaさんに大まかな構想を語って頂きました。

ここでは詳細は伏せることにしますが、私は「なるほど」と納得できるものでありました。

 

 

この度は貴重な体験を提供して頂き、本当にありがとうございました。

この場で改めてお礼申し上げます。

DACの、さらに上流へ

 DDCとして、ifi audio 「iONE」を購入しました。

同軸RCAケーブルは、Chord「Shawline」を選定。

 

Chordのケーブル、最近とても人気のようです。

私も今回使ってみて、よく意味が分かりました。

これほど、自らはキャラクターを持たずに、なおかつ音楽性を殺さないケーブルは希少でしょう。

それでいて基礎性能が非常に高い。実売3万クラスでこの質感は、まず出ません。

ふわっとした軽さを伴いますが、Transparentのような抑鬱を催すこともなく。

優等生的存在でも、SAECのような神経質な面を出しません。

システム全体をChordのケーブルで統一しても、音楽的につまらない音にはならないだろうと思います。

また、私のように個性の強いケーブルを複数導入している場合、色を残しながら全体を俯瞰させて一本の軸に通すパイプの役割を持たせることもできます。

 

次は、ifi audio「iONE」について。

同軸出力がガルバニック絶縁されるという点に魅力を感じて購入しました。

この効果については、他のDDCを所持していないので比較できませんが、純粋な音質としてはかなり高いレベルにあると思います。

 

さて、私はPAGODA DAC導入についての記事で、このような記述を残しました。

rays.hatenablog.com

元々PAGODA DACに搭載されているUSBレシーバーはJPLAYと相性が良くないです。

CS8416はKernelStreaming非対応で、動作エンジンはClassicに、実質的に限定されてしまいます。

 ifi audio 「iONE」を導入したもうひとつの理由は、JPLAYの動作エンジンをULTRAStreamに対応させることでした。

そして、この音の変化、いや向上は劇的と言っていいレベルなのです。

DACは同じPAGODA DACなのに、DDCを追加しただけでDAC自体を1ランク上のものに替えたのではないかと、私自身も驚くほど。

 

 

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設定項目は、常識的な範囲で抑えてあります。

レイテンシーを極端に小さくしたり、DACLinkを700Hzに上げてみたり、色々試してはみましたが、私の求める方向の音楽性は、これらの手法では得られないと判断しています。

せっかくマルチビットDACの芯のある音、骨格感を作り出すことができたのに、DACLinkを上げていくと、線が細い、どこか粉っぽい質感になっていきます。

また、「音が速すぎる」のです。自然な「タメ」がないというか。

音だけが事前の気配なくいきなり飛んでくるみたいな感じです。

 

これらの設定よりも、DDC導入によってデジタル領域の処理が理想状態に近づいたこと、JPLAYの動作エンジンがULTRAStreamに対応できたことの方が、より重要であったようです。

 

 

下流は「音の外側」音の力感、押し出しや輪郭を。

上流は「音の内側」と表現できるでしょうか。

音の表情は、少しでも上流を気にかけてあげると出てくるようになる、というのが私の経験から言えることです。

DACは、表情よりは「音の分離」の方かなと思います。

今回、DDC導入+JPLAY動作環境の向上により、何が獲得できたかということを比較してみると、上記の結論となるんですね。

「音色はいいのに、たまになぜか音楽に入り込めない」感覚がPAGODA DACにはあったのですが、そういうことがなくなりました。

 

 DDC導入のもうひとつのメリット。

将来的に、DAC更新の機会があった際に選択肢が増えるのです。

きちんと物量が投入され、しかも現在の市場価格よりも相対的に安価な製品が、まだまだ眠っているのでは?

(状態の良いモノを選定すること・アフターサポートの問題はあります)

「音楽性」と「容量」と「音の良さ」

 

artist.cdjournal.com

民族系音楽の世界を、打ち込みのシンセと生音のイーリアンパイプを融合して表現されています。

 

今から11年前、当時高校生だった私はashaさんの「I breathe the cosmos」を音楽系SNSmuzie」で発見し、毎日のように聴いていました。

もちろんPCにDLしていたのだけど、この5年程度は同人CDを大量に購入するようになり、muzie経由のmp3音源は、そのほとんどを削除していたのでした。

(かつてmuzieで公開されていた曲も、CD化されているものは購入し置き換えているため)

I breathe the cosmosも、HDDから削除した曲のひとつ。

「聴きたくなったら、またmuzieでDLすればいい」と思っていたのですが・・・

何と、今年に入ってmuzie自体がサービス終了により閉鎖してしまいました。

 

これには大変ショックを受けました。

この曲に限らず、CD化されていないけれど個人的には思い入れの強い楽曲がまだまだ存在しているのですから。

HDD整理をしていた時期、「mp3音源は、思うように鳴らないな」と感じていました。

しかし、現在の環境、特にPAGODA DAC導入以降はmp3音源も、flacと遜色ないレベルで楽しめるようになっているのです。

猛省に尽きますね。。。

かつて、音楽よりも「音」に意識が向き過ぎていた時期があり、やはり圧縮音源はダメだという固定観念がいつの間にか染み付いていたのだと思います。

 

そもそも、楽曲の内包する音楽性とファイルの容量(flacやmp3)は本質的には関係がない。

音質(「音」の良さ)とファイル容量は、それだけを抽象すれば比例関係すると言えなくもないですが、それだって楽曲の音楽性を完全に切り離して捉えることができるものではないのです。

さらに言えば、元々のCDの時と、ハイレゾで仕上げ直す際にミキシングを露骨に変えてくる例はいくらでもあります。その際の「腕前」によって音楽性は復活することもあれば、完全に破壊されることもあります。

これは私の好みが多分に入り込んでいますが、S/Nを無理に上げようとすると音楽性はなぜか失われていることが多いです。

 

話を冒頭に戻します。

「I breathe the cosmos」CD化されていることに気付きますが、時既に遅し。

どこにも流通在庫がありません。中古を探してみるも、駿河屋にもない。

半ば諦めていたのですが、運良くヤフオクに出品されていました。素早く確保。

 

10年の時を超えて、今再び。

 

あぁ、音楽性は「思い出も『込み』」なのだ。

同じ曲を毎日聴き続けるということ

 

「音楽性」について、twitterのDMを用いてある方とやりとりしていました。

直接的な引用は控えますが、私の方で再度総括するとすれば、

「オーディオマニアでも『音楽を聴いていない』人はたくさんいる」ということでしょうか。

 

出発点が「機械そのものに対する興味」から始まっている場合、この傾向は強く現れます。

趣味性と「モノ」を所有する満足感というのは、やはり切っても切れない関係にあります。

理系脳な方は、天板を外してアンプの中身を実際に見てみたいという欲求に駆られるらしいですが、私にはそういったものは皆無です。

 

また、音楽に対する興味はあっても、そこからオーディオ機器に対する興味に繋がらない人もたくさんいます。

というか、たいていの人はそうでありましょう。

それでも不思議なことに、そうした方がふとしたきっかけにオーディオに興味を持ち、機器を購入するとなったときに、予備知識は機械に対する興味を持っている方に比して浅いにもかかわらず、「音楽として鳴る」ものを選ぶことができるようなのです。

対して、機械マニアが選択する機器というのは、傾向としてはHi-Fiに偏り、個々の音を分離させ、それぞれの音に対して全て一定の距離感でフォーカスを合わせるといったもの。

 

どちらが良いか悪いかという話ではないのです。そういう対比、傾向があり、当人がその音に満足していれば、それでいいのです。

ただ、オーディオマニアな方というのはどうも機器をとっかえひっかえしているイメージが強く、本当に今現在の音に満足しているのか、いまいち掴み切れない。

 

音を変えることも楽しみのひとつですから好きにして頂ければよろしい、けれども何か軸を据えなければ、その終わりはありませんよ?と。

 

 

また枕が長くなりました。ようやく記事タイトルの中身に入ります。

私は基本的に、気に入った同じ曲を毎日聴く傾向があります。

Libraryに7000曲入っていますが、その中の300曲にリスニングタイムの40%近くを割り当てるのですから、かなり偏っています。

そして、つい先日、「ロリィタノイロォゼ」りみゆさんの楽曲が、合計10000回の再生を超えました。

「ここまで同じ曲を何度も聴いて、飽きないの?」

いいえ、全くそんなことはありません。

それどころか、つい最近また新たな発見がありましたよ。

それが何なのか、言語化できる領域に降りてきてないのですが。

 

話を冒頭の部分と繋げますと、自らの中に「音楽性の基準を染み込ませる」には、やはり同じ曲を毎日繰り返し聞き続ける、これしかないのではと思います。

一番簡単で、確実な方法です。ただし、「この1曲との出会い」が必要です。

今は「消費されて消えていく」楽曲ばかりがメジャーシーンで溢れている世の中ですが、世界は思いがけず広いものですから、よくアンテナを立てていれば、必ず見つかります。

自分のこと、周辺のことが上手く行ってないとき、そういうときこそ見つけるチャンスですよ。

 

オーディオ的感性を磨くにも、「同じ曲を毎日繰り返し聴く」というのは確実な手法です。

「それでは特定ジャンルにしか対応できない」という反論は成り立ちます。

私が言っているのはそうではなくて、「変化を知覚する」にはそれが一番確実であるということです。

既に100回聴いているから、その何回か後に機器を替えた、ケーブルを交換した、セッティング、置き方を変えたことに対してその違いを認識しやすくなる。

これが回数を増すごとに、そのアンテナが研ぎ澄まされていく。

趣味性とは「小さな変化の積み重ね」であり、それが10回の変化で普通の人が知覚できるものを、より少ない回数で掴み取ることができるようになります。

 

私の経験から言えば、「音」の変化だけなら結構簡単ですが、そこから「音楽の内面に入る」までの壁はかなり高いです。

私の場合、「脳内で情報を補完する」聴き方ができないので。

特に弾き語り系の生録って、場の気配とか指先のタッチが見えるようになるまでに相当な情報量が必要なんですよ・・・

これを超えることができると、そこからの微細な変化の一瞬一瞬が本当に楽しくて仕方なくなります。

 

*お知らせ(?)

camp-fire.jp

私からも出資させて頂きました。趣旨にご賛同頂ける方は、ぜひぜひ。

tweeted pick up ①