その人の音

1.ヘッドホン祭の試聴インプレ

 マス工房の超ド級ヘッドホンアンプ、model406。180万円・・・

モニターアンプとしてこれ以上のものはないでしょう。

限定5台生産のうち3台売れていて、日本人は1人だけなのだとか。

情報量・密度・定位・音の立ち上がりと下りの正確さ、どれを取っても最高峰にあると思います。

空間の広さはOJISpecialに分があるかな?

音色や質感はDACやCDPの影響を100%反映させるようにできていて、逆にこのモニターアンプ特有の癖は何も持っていません(そうでないと用途的に困るのですが)

ヘッドホン祭では毎回DENONのプレイヤーを相当苦労して(25kg。重いんです)搬入されているんですが、正直に言って私DENONの音、ダメなんですよね。。。

 「基本性能は高いけど音楽的な違和感を我慢して聴いてる」状況下に置かれます。

今回マス工房さんはHiFiMAN SUSVALAを購入されてデモしていましたが、持参したHD800よりも性能が高いせいかCDPの音の質感の悪さを余計に曝け出してしまい、あまり聴き込めない結果となってしまいました。

本当に良い上流で一度聴いてみたいのですが。。。

 

 奥に写っているのはEAR(Esoteric Audio Research)創始者、ティム・デ・パラヴィチーニさん。

その人の雰囲気って、作られた機器の音に現れるものなんだなと、聴きながら納得していました。

暖かく、優しく、それと相反する鮮烈な表現を持ち合わせていて、生命感がある。

音の背景はWM8741らしさが良く出た黄色。私はこの色がとても好きです。

前述のマス工房のブースとは対極に位置する音です。

音の立ち上がりが多少遅い面がどうしてもあって、速い刻みを正確にこなすことは苦手だと感じます。

低域は量感はそこそこあるけれど沈み込みはやや浅く、この価格帯から考えると中高域寄りな印象もありますが、EARはとにかく音楽性の豊かさで人を惹きつける力が群を抜いています。

 

 今回のヘッドホン祭は2日目の午後に少し顔を出したくらいなので、あまり聴き回ることができませんでした。この他にはOCTAVEでfinal D8000を聴いた程度。

 D8000は平面駆動型とダイナミック型の中間のような鳴り方をします。

SUSVALAより音の焦点が分かりやすく、凝縮された密度の濃さが特徴的。

若干頭内定位が強い傾向があり、近年のヘッドホンがスピーカー的音場形成を目指した方向性に対してD8000はある意味「ヘッドホンらしい」空間となっています。

 

2.デジ研で驚愕の下克上が?

ヘッドホン祭開催期間中の恒例イベントのひとつとして、デジ研(デジタル研究会)があります。ヘッドホンイベントなのにスピーカーでデモを行いますw

audiostation.jp

私は両日において時間が足らず参加しなかったのですが、当日にお会いした方の中から興味深い情報がありました。

 

 Meridian Ultra DAC(270万円)とChord Qutest(20万円)では10倍以上の価格差があります。しかしそれがmacとdelaのトランスポートの違いだけで逆転現象が起こったということのようです。

*5/7 P.S.

Meridianが開発した「MQA」形式ですが、これは「非可逆圧縮」方式とのことです。

従来のmp3等と比較して音質劣化を抑えつつも低容量化を実現しようと試みたのだと思いますが、やはりピュアオーディオ的な意味で「聴感上」ロスレスと同等のクオリティが実現できているのか疑問が残る結果となったのでは?

つまりデジ研では、トラポの違い+MQAの2つの要素が重なって、DACの価格差を逆転する結果となった模様です。ここで、どちらがどの程度影響を及ぼしているか、そこまでは現時点ではわかりません。

 

繰り返しますが私はこのイベントで実際に聴いていませんので、何とも断言できません。

しかし私はこの結果について、別に驚いてるわけではないんです。普通にありえる話だなと。

 

3.性能が高ければ高いほど、使いこなすのは難しくなる

確かにDACはデジタルオーディオにおいて重要な機器のひとつではあるんですが、それはD/Aの変換精度が正確になるだけであって、それより上流から入り込んでくるノイズ量が多ければ、かえってその悪影響をより強く反映してしまうこともありえます。

DAC筺体内部にもジッタークリーナーなどは備えられていると思いますが、それだけでは実際に運用する上では間に合わないということでしょう。

 

私自身も、DACを更新したことそれ自体よりも、その後のさらに上流への対策を細々と詰めていったことによる音質の変化の方が、体感的に改善度合いが何倍も大きかったのです。そしてそれらの対策は、今もまだ終わりが見えていません。

 

 最近はJPLAYStreamerを適用したことにより音源がLANを経由しています。この場合は共用ルーターから流入するノイズ対策が必須となってきます。

ルーターからは3mのSAEC製LANケーブルでラック中段まで引っ張り、スイッチングハブで中継してPCまではオーグラインのLANケーブルを50cmで短く接続することに決めました。

www.audiounion.jp

(音源管理はNASではなくE-SATA接続の外付けHDDで運用しています)

ルーターからPCへ直結するよりも、ハブを経由した方が圧倒的に音質が良くなります。ハブ自体は4000円ほどの市販品ですが、金属筺体・電源内蔵型を選びました。

そしてオーグラインLANで音の色艶をプラス。

気をよくして今度はハブの空きポートをLANターミネーターで塞ぐことに。

page.auctions.yahoo.co.jp

またまたこれがよく効きます。何故かS/Nの向上よりも音楽的なまとまりが良くなるんですよ。。。

 

petaさんも以前仰ってました。NADACに替えてもたいして音は良くならなかった。

その後、電源環境を整えて、インシュレーターを導入して、そこから本当に良くなってきたのだと。

 

4.いつの間にか「その人の音」になっている

当たり前のことですが、HD800を持参していくつかのブースでアンプに接続しても、家で聴く音とはまるで質感が違うんですよ。。。

おそらく、DACを持って行っても同じことだと思います。マルチビットDACだからとか、そういうことじゃないんです。

そのユーザー固有の音というのは、むしろDACやアンプ・スピーカーやヘッドホンといった機材の性能を引き出そうとして、オーナーが試行錯誤して配置した電源対策やケーブル類・インシュレーター・その他アクセサリー類といった、いわば脇役であるそれらひとつひとつの総体としてあるんじゃないかと思うようになりました。

 

細々とケーブルやアクセサリー類に金を使うのは無駄だという人は、オーディオがわかっていないどころか、広義で「趣味性」の意味そのものを理解していないのです。

大きな機器さえ同じであればみんな同じ音になったら面白くないじゃないですか。

オーディオから出てくる音を、音楽的に成り立たせているのはむしろこうした「小さなもの」の集まりだったりするんです。

 

冒頭のマス工房の音は確かにモニターサウンドとしては正しいあり方です。しかしCDPからHPA間のXLRケーブルはいわゆる汎用品で、電源はOAタップを中継していました。

音は良くても音楽的に味気なく感じたのはまさにこうしたところが原因だったりするのです。

あくまでこれはスタート地点に過ぎないのであって、ここから機材の本当の真価を引き出すのはオーナー次第であり、それがまさに「趣味性」なのであって、その試行錯誤の過程で、その人だけの音が「いつの間にか」作り出されているのです。

「音の色」について

今回のtopicは、概念が抽象的で正確な言語化が難しく、またこのことについて記された文章もweb上を見る限り非常に少ない領域です。

それでも、私がこれまで断片的にtwitterでメモ的に書き記した「『音の色』とは何か」について、私と同じような感覚を持っておられる方、あるいはその感覚を保有してはいないけれども私の発言の趣旨を理解して頂けた方がいるという手応えを掴むことができました。

こういったリアクションを踏まえて、そろそろblogで「音の色」についてまとめてみようかなと。私と似た感覚をお持ちの方がどれだけの割合でいるのか、未知数ではありますが、何かcomment等頂けたら嬉しく思います。

 

1. 「音の色=共感覚」ではない

「音の色」という言葉のイメージから、感覚を刺激する一定の音が何かしらの視覚、味覚、嗅覚といったものと結びつく「共感覚」のことだと思われるかもしれません。

しかし私はこのような、いわゆる「共感覚者」ではありません。

wired.jp

私の場合、特定の音に対して、それに対応する色が眼前に映し出されるわけではありません。もしそうであったら、もっと楽しいだろうなとは思ったりもしますが。

 

2. 背景色

一般的に、何か機器を試聴するときに意識が向く点というのは、解像度だったり分解能であったり、各帯域の音のバランスだと思いますが、私はそれよりもまず最初に確認するポイントがあるんです。

いわゆる「背景色」とでも呼べるような概念です。

私の場合、楽器固有の音色に特定の色を見ているわけではありません。それよりももっと基底にある、空間を照らし出す光(スポットライト)をイメージしたときに脳裏に表れる色、これを私は「音の色」と言っています。

 

3. モニターの「色温度」=「音の色」

この記事は、実は1年以上前に、いつか書きたいとは思っていたのですが、うまく説明するためのとっかかりがずっと掴めずにいました。

しかしつい先月、これはと思う情報を見つけましたので、少々引用させて頂きます。

purepure.wp.xdomain.jp

オーディオでは全体的に一様な色に染まる傾向があるので
モニタの色温度と同じように表現したことは何度かありました。
DAC7なら4500度、マルチビットDACだと5500~6500度、
ES9018なら8000~9000度くらいでしょうか。

 私は幼少の頃ブラウン管のTVやモニターが身近にあった世代で、中学を卒業する頃には液晶モニターに完全に切り替わった記憶がありますが、とにかく現代のモニターって「不自然に」明るくて、そして青味が強くて非常に疲れます。

モニター設定でブルーライト低減モードを最大に設定しないと、まともに直視できません。そしてこの設定でさえ、2時間も向き合っていると疲労を感じます。

不思議なことに、オーディオを通して聴く音にもこの感覚が当てはまるのです。

 

4. 本当に「青白い」んです

最近流行りのESSのDACチップですが、確かに繊細な表現や微弱音を引き出す性能はありますが、先述の「音の色」=ステージを照らす光が明るすぎて、それよりももっと私が大切にしているもの、歌い手の表情が見えてきません。

ちなみにAKMの最新型4497も、若干の質感の違いはありますが同じような傾向です。

むしろ「白さ」でいえばこっちの方が強いような。ESSの方は「青」が強い。

よく、ESSの音は高音が神経質で低音が細いとか言われてますが、それはコストをかけるべきところに投入せずにネームバリューだけで無理してこの高いチップを実装したからそうなったのであって、OPPO SONICA DACが登場する以前に、ガレージメーカーが普及価格帯で出したDACというのは総じてこのような音だったと思います。

SONICAに関しては、数度の試聴において、従来のこの価格帯にありがちなネガティブな要素はかなり解消できているなと感じました。それでも、先述の「音の色」があまりにも明るすぎ、青味が強すぎて、帯域バランスは聴感上それほどの偏りがないのにも関わらず、どこか緊張を強いられるリスニングとなってしまいます。

 

5. 彩度とコントラスト

では逆にモニターの色温度に例えてその値が低い(4000k~5000kぐらい)、WM8741やTDA1547(DAC7)搭載機の音の色ですが、自然な色合いよりは多少黄色っぽくなります。しかしこれが私にとっては非常に心地よく、過剰なメリハリがないので緊張を強いられず安心して音楽に浸れます。

この「メリハリ」とは音の外側の輪郭も要素的には含みますが、それよりも視覚的なイメージで言うところの「コントラスト」のことを指しています。

photo-mini.com

 映像の世界では高彩度・高コントラスト化が進んでいるようですが、私はオーディオの音の世界も同じ道を辿っていると感じます。

コントラストが高くなると、音の場合は繋ぎ目が見えやすいというか、ひとつひとつの音が何か独立な存在感を放ちながら鳴っていくようになります。メリハリが効いて試聴では映えるので一瞬いいんじゃないかって思ったことも初心者の頃はありました。といっても今でもオーディオ始めてまだまだ4~5年ってところですけどね。

2年目ぐらいまではまだまだこの感覚が育っていなくて、初めて購入した単体DACはES9016を搭載したNorth star Design Intensoでした。

(発売から4年で生産完了となりました。近年の製品サイクルは本当に短いです。)まぁ、それでも2年は使い込んで色々学べたこともあったので。

 

結局、私にとって自然な温度感とコントラストというのが、モニターの色温度で言うところの6000k程度であり、PAGODA DACを購入した際に偶然ベストマッチした(国内代理店がなく試聴する手段がない)んです。 WM8741まで色温度が下がると、表情は見えやすいんですがコントラストが弱く、細部の描写がくすんでしまうこともあるかもしれません。

 

6. 今の時代は何でも「明るすぎる」と思いませんか?

www.itmedia.co.jp

多くの国際基準では、色温度の基準は6500k(ケルビン)となっており、これがもっとも自然昼光に近いということになっている。

 

だが実は日本だけが違っていて、慣習的に9300Kが標準となっている。

 

日本では、照明のほとんどが蛍光灯だ。蛍光灯は電球と違って色温度が高いので、9300Kを白としたほうが馴染みやすい

 

店内の照明がどこも明るすぎて、その明るい店内でデモ受けするようにテレビの発色は過剰にクッキリハッキリ、白は異常なほど真っ白(というか青い)。その光源の強さは尋常ではないと思っています。。。

今のオーディオ製品の音も、大手国産特有の「眩しいほどの明るさ」が私にはどうも合わなくて。不思議と、どの世界も流行りのスタイルって似てくるんでしょうか?

 

3か月ほど前、秋葉原HiFi堂にnemeさんとふらっと入ったとき、修理完了して明日ユーザー宅へ出荷されるというPHILIPS LHH700(1991年発売。TDA1547搭載DAC)と、アンプは何か忘れましたが、スピーカーはYAMAHAのNS-1000Mという組み合わせで鳴っていたので、しばらく聴いておりました。

PHILIPS LHH700の仕様 フィリップス

YAMAHA NS-1000Mの仕様 ヤマハ

 

「これが90年代当時の『音の色』なのかもしれない」ということを、ふと考えることが今でもあります。

確かに細部の描写はもう少し求めてしまう部分はあります。けれども、「音の色」の塩梅だけで見れば、現代機器よりもLHH700の方が私の感覚に合っています。

それでも、こういった発売から20年も過ぎてどれだけのユーザーを経たのかわからない機器を購入することはリスクが高いので、実際にはどうしても難しい面が出てきます。。。

「違和感」について ~デジタルケーブル変遷記~

DDCとしてifi iONEを導入したのが昨年9月、それと同時にデジタルケーブルはChord Shawlineを選定し、これをしばらく使い続けておりました。

www.instagram.com

解像度や分離といったオーディオ的指標は価格相応、もしくはそれよりやや下かもしれませんが、このケーブル、いやChordというメーカーの本領はそういった点においてではなく、やはり音楽を音楽として成立させるための「何か」を、どの価格帯のモデルでもしっかり有していることに尽きると思います。

こういった「音楽性の高いケーブル」というのは、そのケーブル自体が固有の演出をすることでその役目を果たしていることが多い(手持ちのケーブルではPAD・Wire Worldが典型的)のですが、Chordのケーブル自体はフィルター的に音色を変更することがないということが、つまりは「特有の音色」を持たないことがむしろ特徴であると。

ちなみにこれは「無色透明」であることを意味しません。私にとってその代表格はSAECで、インコネにSL-5000を使用していた時期もありましたが、どうも音楽性を引き出す、伝達するという方向性とは違うように感じました。

SL-5000|サエクコマース株式会社 -SAEC

Chordの開発陣は、どうやら肌感覚で「音楽性とは何か」を理解していて、それを1本のケーブルで実現するためのコツを掴んでいるように思うんですよね・・

オーディオケーブル TOP - andante largo

Chordの国内代理店であるアンダンテラルゴより。

「人の心に響くケーブル」をお楽しみください。

いやはや、恐れ入ります・・・

上位クラスのSarumはpetaさんのシステムで聴かせて頂いたのですが、音楽的な浸透力が、これはもう他で滅多に聴けることはないだろうなと思わざるをえないもので。

ところが下から2番目のShawlineでも、このポリシーは一貫されていることがよくわかるんですよ。その力は多少弱まりはしますが、基本的なところは全く変わらないということです。

 

 ここまでかなり褒めちぎっているように見えますが、実は現在Chord Shawlineは使用していません。

・オーディオ的基本性能がやや物足りないこと

・低音が軽くなってしまう

・フォーカスが若干甘い(これが雰囲気作りに一役買っている?)

などが理由です。私もいつの間にか要求が高くなってしまったとしみじみ思います・・・

さて、2本目のデジタルケーブルを見繕っている最中に、

 ぽつりとtweetしたところ

 ありがたい限りでございます。。。

現在はディスコンですが、当時の定価19万円ですよ。なかなか自分のシステムで聴けるクラスのものでもないです。

Wireworld Gold Eclipse 6 RCAぐらいですね。このクラスのケーブルで手持ちとなると。

それも5万円の出物があったから、運よく入手できたことなので。

SIN DG75ですが、年単位で使われていなかったそうで、特に期限も設けないからじっくり「聴感で」判断してくださいと仰って頂けました。

 

さて、結果から申しますと、実はこのケーブルも実際に長期運用する決断はできませんでした。

解像度・分離は飛躍的に向上し、フォーカスもピンポイントで定位。オーディオ的性能は過去最高の領域に。

それでも、ダメなんです。私はこの音を数ヶ月、そして年単位で聴き続けることはできないし、もしそれを誤魔化していたら、自分の感覚がおかしくなったまま戻らなくなってしまうという不安を感じたのです。

それは、端的な「違和感」としか表現の仕様がないものです。

はっきり自覚したのは、接続してから3日目のこと。結局、そこから1週間が経過した10日目までこの違和感は払拭できないまま、返送のご連絡を致しました。

せっかく申し出て頂いたのに、手間をかけさせるだけの結果となってしまって申し訳ないと思っていたのですが、

「雪さんがAETは無理じゃねーのと思いつつどうなるか興味津々で口出した感じなので」

( ^ω^)・・・

でも逆に言えば、私の好みとか、何となくわかるぐらいには見てきて頂いてるってことなんですよね。

やっぱり、嬉しいですよ。こういうのは。

 

翌日、Chord Shawlineが10日ぶりの出番です。

「ちゃんと心に届く」音楽に戻ってるんですよ。宣伝文に一切の偽りなし。

この時、やっと本当の意味でChordの良さが理解できた気がします。

でもやっぱり、音が軽いんです。AETほどの情報量、密度感は求めないけれど、これでは情報量がスポイルされていることがわかってしまう。

というわけで、またしばらく情報収集をのんびり行う日々が続きます。

候補に挙がったのは

このあたり。でもヨルマはちょっと高いし、Wireworld・PADは既にシステムに1本ずつ導入しているメーカーなので、「被る」のはあまり面白くない。

 

ある日、オーディオユニオンお茶の水4Fで適当に眺めていると、「これは」と直感的に音の良さそうなケーブルを発見し、すぐに購入しました。

イタリアのメーカーのようです。というか、全く情報を知りません。

でも、見た目で何か閃いたものがあって、店員さんに声をかけてしまいました。

 

こうやって買ったものって、不思議と「外さない」んですよね。

一晩流して違和感が全くなかったので、それだけで長期運用決定です。

オーディオ的性能という面では、低域の軽さはだいぶ改善されてきました。

音楽的な面においては、今まで私が導入してきたケーブルって「陽」の方向を表現することが得意なものが多かった(Wireworld・PAD・nanotec・kripton etc.)のですが、Hi Diamondは内省的な面にスッと入っていける「陰」の要素を含んでます。これは思わぬ収穫でした。(外見からはこれも「陽」の方向だと思っていたので)

www.instagram.com

2/18 P.S

記事後半部を削除しました。

締め方がいまいちですが、このまま上げます。


ロリィタノイロォゼ ワンマンライブ ”シェリシュ” 観覧記

1/13 渋谷恵比寿天窓.switchにて

 ロリィタノイロォゼ ワンマンライブ「シェリシュ」を観覧しました。

 日付を跨いで0時過ぎから1時間は、必ずロリィタノィロォゼの楽曲を聴くことをライフワークとしている私は、去年参加予約してからこの日がやってくるのが楽しみで楽しみで。。。

 

ライブ参加履歴は、前年春の゙noce゙、秋に渋谷ギルティで開催された合同ライブ、そして今回の゙シェリシュ゙で3回目となります。 

 

それでは早速、感想に入ってしまいますが、゙noce゙の時よりもさらに表現が深化されているとお見受けしました。

今回私は最前列の、演奏されている様子が全て見える席にて、ほんの2mくらいの距離から観覧できたことも要素として働いているとは思いますが、心を揺り動かすエネルギーの強さが、こちらの想像を遥かに超えていて。

"noce"の時は3列目くらいだったので周囲の様子が見えて、涙を拭う女性の方がたくさんおられたのが印象的でした。今回は会場全体を察せられる状況ではなかったわけですが、言うまでもなく結果は同じであったことでしょう。

 

そして、「サテライトに祈りを」では、りみゆさん自身が最後、目を潤ませているように見えました。

私が、初めて聴いたロリィタノイロォゼの楽曲で。

今でも、一番好きな曲が「サテライト」で。

もちろんどの曲も丹精込めて作り上げたものだとは思いますが、その中でも、この曲には特別な「何か」があると私は感じていました。

 。。。やはり、そうだったのですね。

 

 

私は、「音楽性」とはまさに上記の「心を揺り動かすエネルギーの強さ」であると定義しています。

りみゆさんは、ピアノ演奏の技巧も、声質の良さも素晴らしいのですが、根源的な魅力はこの意味での「音楽性」が突出しているのです。

twitter上でオーディオ趣味のフォロワーさんと交流を深めていく中で、4~5人ぐらいにロリィタノイロォゼの楽曲をこれまで紹介してきましたが、やはりこの「音楽性の強さ」に言及されることが多かったです。

象徴的なのが、「箱ピュア」管理人ぱすてるぴあのさんで、

◆♪◆箱庭的ピュアオーディオシステムの薦め AUDIO STYLE◆♪◆ - ピュアオーディオ

ぱすてるさんは学生時代、ピアニストになる道を目指されていましたが、様々な事情により志半ばで挫折された経験を持つ方であります。

一度議論が始まると怒涛の文章量が投下されるので私は愛をこめて長文大魔王さんと呼んでおりますが、

長らくクラシック音楽に精通され、オーディオに対する取り組み方も独自の視点をお持ちな方で、彼とはこれまで膨大な(1000往復ぐらい?)量のDMをtwitter上でやりとりしてきました。

いくつか抜粋して私の方で解釈したものを挙げますと

・オーディオ機器の金額と「音源から音楽性をどれだけ引き出せるか」について、相関性はまるでない

・そもそもクラシック界隈において国内に音楽性の豊かな演奏家が少ない

・それは教育の現場で指導者自身が意識的・無意識的両面から音楽性の芽を摘み取ってしまっているから

 ぱすてるさんはこれまで同人音楽というジャンルには踏み込んだことのない方ですが、私は彼がりみゆさんの楽曲を聴いてみて、どういう感想が返ってくるのか、おそらく私の抱いている感覚が伝わるんじゃないかと思っていたのですが。

 

YouTubeで聴いても心が揺さぶられる感覚が伝わりますから、稀な才能ある方だと思っています」と。

ぱすてるさんはとても謙虚な方で、そしてクラオタとしての矜持から、りみゆさんの楽曲について、よく勉強してからライブには参加したい、とのことでした。

私にとっても、いつかお会いしたい方のひとりです。

 

 

ライブから話がどんどん逸れていっている気がしますが、あえてこのまま続けますと、この「音楽性」とは、先天的な資質と、これまでの生き方、経験、パースペクティブ(ここでは哲学的な真理を眺める視点)の総体から滲み出てくるものだと考えています。

クラシック演奏においては楽譜を丹念に読み込んでいくことも必要ではありますが、しかしそういった「反復練習」だけでは音楽性は養われないのであって。

音楽活動を続けていく中で、鍵盤と向き合うそれ以外の場面において、どれだけ感性のアンテナを巡らせて、吸収していくか、それが後々になって楽曲の「音楽性」として昇華されるのではないかと。

 

りみゆさんの「哲學とシュルレアリスム

私はそれを見続けていきたい。

 

 

さて、ぱすてるさんが主張されていた部分の一箇所に話を戻します。

・オーディオ機器の金額と「音源から音楽性をどれだけ引き出せるか」について、相関性はまるでない

 ここです。私もこの点については大筋で合意しています。

私の場合、「ライブ観覧した際の心の振れ幅に、家で再生してどれだけ近づけるか」ということを機器やケーブルその他の選定判断基準にしていまして。

("ノス"→"シェリシュ"で大幅に基準が更新されました(笑)

オーディオショップとか、イベント会場とか、ああいった場では機器の真価を判断するのは難しい部分がありますけど、でも色々聴いてみてやっぱり全体論として「価格と音楽性は比例しない」というのが正直なところです。

それどころか、高価な機材って「痛い音を出さない」ように後加工された質感が、そこが「何か言いようのない違和感」として絶えずまとわりついてしまって音楽的な内面に入り込めないことさえあるのです。近年のDACってこういうのがとても多くて・・・

 

生のライブの音楽性の素晴らしさはもちろんですが、それがCDにもきちんと封じ込められていることは十分に感じ取れましたので、私はできるだけそれを「失いたくない」んですね。

なので判断基準が「オーディオ的な指標としての解像度や分離」ではなく、「音楽的な内面に『自然に』入り込めること」となります。

近年はハイレゾがどうのってブームになってて、芸のないハイレゾマークなんか製品に貼ったり、製品開発はそれに合わせて無理やり再生可能帯域を40kHzまで引き上げたりしてますが、でもそれって「音楽性を伝達すること」に寄与していますか?

私にはまるで明後日の方向に行ってしまっているような気がするのですが。

アップサンプリングで間延びさせたデータをデジタル的な補間で穴埋めすれば確かに理論的には滑らかで綺麗な音にはなります。しかし私には「綺麗なだけで心を揺り動かすエネルギーは逆に弱まってしまっている」ことが多いと感じます。

先述の、そのような「言いようのない違和感がまとわりつく」機器を選んで自室に迎え入れてしまった時点で、(大袈裟な表現ですが)私の「音楽生活」は崩壊してしまうのです。

つい最近も、お借りした1本のケーブルが、性能の高さ・解像度や密度の濃さに目が眩んで、何かどうも違和感はあるんだけれど、つい「買い取らせてほしい」と連絡を入れてしまうところでありました。結局は踏みとどまったわけですが。

(この話の詳細は次回記事に回します)

 

 

。。。脱線したまま収集がつかなくなりましたのでこれで書き終えることにします(

 

春のM3が、今から楽しみです。。。

Silent Mount SM-5A

周囲にあるのは8mm厚のステンレス。

以前はこれをラックのスパイク受けとして代用していました。

 

3段ラックに格納してあるnotePC・DAC・HPAそれぞれに対して、各種インシュレーターがしっかり効果を発揮することが確認できているので、ラックのスパイク受けもちゃんとしたものを履かせてあげることに。

 

本当は順序が逆ですね。

効果があまりにも大きく、今までここを適当に済ませていたことは愚かであったと言わざるをえません。

インシュレーター類が音に効くポイントは、定位の改善とピーク帯域の制御です。

ブランドに、感性を依存せず

E4UAさんにHD800用ケーブルの作成を依頼しました。

e4ua.jp

昨年はDACDDC、それに接続するケーブル等の上流の整備を集中的に行っていましたが、最後にヘッドホンケーブルという言わば最下流に目を付けました。

近年は銀ケーブル特有の音色に惹かれてシステムに導入する数を増やしていく傾向にありました。

Wireworld Gold Eclipse 6 RCA

oyaide Continental 5S V2 (信号線に銀・電源線に102SSC)

PAD AC Tantus(金・銀・銅・プラチナのハイブリッド構造)

オーグライン0.3mm×4芯 HD800ケーブル

昨年12月時点で、この4本の銀ケーブルがシステムに繋がっておりました。

 

しかし、結果としてやや低域の量感が軽くなったり、上流の整備が整い始めると今度はその癖が過剰に感じたり、楽曲本来の音楽性を引き出すという面からは遠ざかっているのではないかと感じることがありました。

なので今回のヘッドホンリケーブルにおいて、102SSCという最新の銅導体を選ぶことにしました。

この導体の本質は、これまでの「線材純度向上競争」とは視点を変えて、「物性的にストレスのない導体」にすることで、銅本来の良さを引き出すことを主眼に開発されたのだと思われます。

av.watch.impress.co.jp

これを16芯編み込み(仕上がり後ケーブル長2m)でオーダーしたことにより、非常に制作の手間がかかる仕様でお願いすることになりました。。。

そのため線材の価格自体は約18000円ですが、制作費用が通常の2倍以上となり合計額では約115000円の支払いとなっています。

ヘッドホンケーブル1本に対して、着手から完成まで丸々2~3日を要するとのアナウンスがありまして、「これは大変なものをお願いしてしまった」と。。。

 

支払い完了から2週間後、そのケーブルは我が家に到着しました。

 16本も線材が投入されているとは思えないくらい、しなやかで曲げやすく。

テフロン被覆から透けて見える導体の美しさが、102SSCの質の良さを予感させてくれます。

HD800側プラグは本来このような黒いゴムブーツはありませんが、脱着のやりやすさを考慮して付けて頂けたのでしょう。私はこのような細かい注文はしていないのですが、こういうさりげない配慮には感心いたします。

 

これまで1年半ほど使用していたオーグラインケーブルは、標準ケーブルよりも音抜けが良く、色彩も豊かな点が気に入っていましたが、空間の奥行が浅くなるという欠点がありました。

HD800らしさをある程度失っても、その音の色合いの良さを買っていて使い続けた、というのが実情なのでした。

今回のリケーブルでは、「まず基礎特性を、HD800本来の良さを、100%引き出したい」という観点から、導体量を極限まで増やして情報量と空間再現性を向上させることを目的としました。何と2mのケーブルに43mの線材が使われていることになります。。。(2.7×16=43.2m)

*編み込むことで長さが縮まるので、その分を計算に入れる必要があります。

 

結果的に、その目的は十分に果たせたと実感しています。

さらに、音の定位が抜群に安定するようになりました。HD800というのはこれまで「音抜けはクリアであるが、定位は若干滲む、むしろそこが空間の広さを補助的に演出している」ヘッドホンだと思っていたのですが、102SSC×16芯編み込みケーブルによって、どこかFocal Utopiaの揺るぎない定位感に少し近づいた印象すらあります。

システムにはまだ3本の銀ケーブルが接続されていますが、最下流に当たるこのケーブルの支配力が強いのか、以前はPAD AC Tantusの影響が強かったのですが、今ではそれほど目立たなくなりました。

ということで、「銀に頼らずに楽曲本来の音楽性を引き出す」ことが今年の目標となりました。

 

さて、102SSC16が到着してから3日後のことです。

以前からtwitter上で交流のあるbergamotさんから、HE1000とヘッドホンケーブルをお借りすることになりました。

このケーブルは、何と4N純銀16芯編み込み仕様となっています。

www.bergamotflavor.com制作工程を読んでみると、これは私のような素人が手を出すべきではない作業であることがすぐに分かります。

本業の合間に制作されているので、1カ月に1本生産するのが限界で。

にもかかわらず、「趣味」のレベルを超越した、妥協を許さない精神が根底にあるのです。

 

そもそも、私が市販のサードパーティ製HD800ケーブルを今回の候補に全く入れず、このような形で仕様検討を重ねオーダーメイドで制作して頂くことにした理由は、10万円以上も値が張るのに、クオリティや見た目において満足できるものが既製品で見当たらなかったからです。

一般的に、高級ケーブルというのは導体の量よりも厳重なシールドを施すことで外来ノイズの飛び込みを防ぐことを優先した設計であることが多く、S/Nは向上しますが音の解放感や抜けといった要素は減退したり、音が大人しくなる、躍動感が失われるという傾向が見られます。

対して、今回のような編み込みケーブルというのは、GNDが縦横無尽に張り巡らされることで外来ノイズと輻射ノイズを吸収するシールドの役目を果たします。

極限の導体容量を確保しつつ、なおかつノイズも打ち消してくれるので、音のエネルギー感を失うことがありません。しかも編み込むことで取り回しが非常にしなやかで、曲げ癖が付くこともなく。プラグ付近の収縮チューブのみで外装はなしという仕様なので、非常に軽量で経年によるヘッドホン端子側への負担もありません。

まさに、良いことづくめです。

 

この年末年始は、ひたすらHD800+102SSC16とHE1000+Seirios ag16を交互に聴くことを繰り返しておりました。

① HD800とHE1000(ヘッドホンの特色の違い)

②102SSC16とSeirios ag16(同じ16芯編み込み仕様のケーブルにおける、銅と銀の線材による音の違い)

それぞれの要素を(できる限り)分けて記述していきます。

 

HE1000は非常に色彩感豊かで、濃い表現を得意とします。

平面駆動型のドライバーが非常に大型なので、HD800よりさらに空間が広い。これは現在市場に存在するヘッドホンの中で、一番広いと思います。

元々の録音において空間が狭い場合でも、常に一定の広さにまで横幅を拡張するという反則技を見せつけてくれます。しかも全ての位置のおいて、厚く濃い音です。

HD800の場合、発生した1点から放射して空間を満たしていくという空間形成です。

HE1000よりは横幅は狭いけれど、音の前後関係であったり、重層的に折り重なっていくイメージが掴みやすいという特色があります。

唯一のweekpointと感じたのは、低域のスピード感。高速ビートが捌き切れないというか、前と後ろの音が繋がり気味に流れる場面が気になりました。

 ダイナミック型ドライバの方が、歯切れの良い低域は再現しやすいようです。

 

銀はとにかく明るく、艶があり、華やかですね。私が今年の前半期までに求めていたのは、まさにこの音なのです。

銀は、銅と比較すると低音が少なくなる傾向がありますが、これを16芯という物量でカバーしてしまうことで、まさに死角なしと言ったところでしょうか。

ちなみに102SSCが m / 400円、4N純銀が倍の800円です。

つまり(もう考えることをやめた

 

オーグラインと比較すると、銀はもっと高音の煌きは強いように感じます。

また、オーグラインは全体をサラッと透かしてしまう部分があり、粘りのある再現とは異なります。

白い光を当てている銀 / 黄色が混じったオーグラインという感覚ですね。

ちなみにオーグライン+pt16という神をも恐れぬ所業が(

 

102SSC16を聴くと、一気に落ち着きを取り戻した感じになります。

HD800標準ケーブル自体が銅+銀メッキ線なので、開発で想定されていた音よりも、もっと高音の脚色は抑えられて地味になってしまったかもしれません。

このケーブルの一番の特色は「音の柔らかさと芯の強さを両立している」点にあります。

どうしてもHD800の低音は量感が不足して「軽い」と評されることが多かったのですが、ようやくこの最大のweekpointを解消することができました。

元々のヘッドホンの特性としてダイナミックレンジが広く、空間の再現性も高いのでスケールの大きい再生は可能なのですが、前述の低域の軽さがどうしても足を引っ張ってしまっていたのです。今回のリケーブルで、HD800のドライバー自体が持つ本来のダイナミズムを再現できるようになりました。

 

 

思えば、去年から私のシステムは

「交流のある方から買い取らせて頂いた」(DAC

「仕様の相談を重ねて制作して頂いた」(ケーブル等。4か所ぐらいありますね)

ものばかりになっています。

 

最優先する事項は、やはり音の良さであり、音楽性をきちんと再現できることなのでありますが、それでも近年の私はなるべくこうした「人の縁」があれば、そちらを優先しようという考えになっています。

人と、モノを通じた交流を大切にしたい。

私は、モノを作るだけの知識も技量もないけれど。せめてこうして文章にして、少しでも伝えることができればと。

 

そして、なぜか結果的に市販品より良い結果に繋がっているのは、不思議なものです。

 

E4UAさん、そしてbergamotさん、今回は誠にありがとうございました。

また何かご縁がありましたら、そのときはよろしくお願いします。

音から、人へ

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 12/17

アンドルー飯田さん主催のヘッドホンオフ会に参加してきました。

「各自の機材を持ち寄って楽しむ」コンセプトなので、私からはHD800(標準ケーブル+オーグラインケーブル)と、同人CDを10枚ほど机の上に雑然と広げて布教活動するなどしていました(

 

主催のアンドルーさんが

RE・LEAF E1R SPX

CHORD Blu mk2

KURADAの全開放型ヘッドホン P1と、試作機の密閉型

ケーブルは、Transparent PLMM2X etc...

 

さらに、「逢瀬」に協力されている方が、システム一式とFocal Utopia、ASUKAのクリーン電源等をトラベルケースいっぱいに詰めて持ち寄って参加されました。

http://ause-audio.com/

 その方とは秋のヘッドホン祭りで初めてお会いし、2日目夕方から閉会ギリギリまで色々なお話に付き合って頂きました。思いがけずまた再開できて嬉しかったです。

 

 

「ハイエンドヘッドホンオフ」の領域をさらに超えた、何か凄まじい全体図になっていた気がしますが、少し感想を・・・

構成としては、E1R SPX / 逢瀬側のシステムに信号が入力される前の段階で、どちらもBlu mk2がUpsamplerとして介入します。

私は主にBlu mk2をCDトラポ兼アップサンプラーとして利用し、E1R SPXと逢瀬フルシステムの比較試聴に集中しておりました。

 

オーディオ的に面白い音を出しているのは E1R SPX

「素の良さ」で聴かせる逢瀬

この対比が印象的でした。実際に逢瀬側も「今はまだ基礎特性を極限まで高めることに専念していて、何かオーディオ的ケレンミを加えるのはまだ先」という趣旨のことを仰っておりましたので、確かに出音もその通りだと感じました。

低域側のレンジはE1R SPXの方が深いけれど、量感が肥大して音像が見えにくかったりモコモコする場面があり、私はこの点は逢瀬のスッキリした低域の方が好みでした。

この傾向はヘッドホンリケーブルにおいても同様で、

Brise Audio / OJI Special / Nordost

3社の中で一番軽量でシンプルな構造で、しかも(この中では)安いNordostが私は気に入りました。

抑圧されずに綺麗に抜けていく、ストレスのない音です。

私は今年に入ってから特に、ハイエンド的な視点とは重視してるところが違ってきているのかな、という予感がしていましたが、今回もやはり同じでした。

 

私は昼過ぎに一旦外出し、昼食を済ませてCDを見繕って5枚ほど購入した後、会場に戻ってみると参加者が急激に増えていて、10人以上がそれぞれのグループで自由に歓談されているような状態でした。

final D8000を持ち寄られた方、プラチナやイリジウム導体の名前も知らないケーブル、多数のインコネも加わり、PCトラポでジャパリパークを延々とリピートしてみなさんで回し聴きしながらケーブル10番勝負をやるなど・・・

なぜか私のHD800+オーグラインケーブルが基準として選ばれました(

初めてお会いした方も多かったのですが、賑やかで楽しい会になりました。

 

私は生来、実は大人数の会合というのが苦手な性分で、会うとしてもサシで、特定の人と複数回会うことはあっても「気軽に交流していく」タイプではありませんでした。

 完全にそういう抵抗意識が払拭されたわけではないけれど、少しずつ私自身も変化しているのかもしれません。

 

オーディオというのは、趣味の中でもとりわけ自閉的な活動に区分されると思っています。

しかし、表面的にアクティブな趣味を持つ人間よりも、インドアな趣味をお持ちの方は深い内面的世界を内に秘めていると私は感じています。

私は、ふとした瞬間に見せて頂ける「それ」を見るのが好きです。

別にオーディオの話をしている時とは限らないんですよ?

言葉の端々から、身の振り方から、それは滲み出てきます。

そのとき、私は「この場に、共に存在できることが、とても幸せだ」と。

 

 

来年も、そんな瞬間に出会えることを。

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