ネットワークオーディオの理念にふさわしい音楽性とは

新幹線に乗って静岡県へ行きました。

数年前から親交のあるpetaさんが、来年ヘッドホンシステムを売却し、スピーカーシステムへ移行するとの告知がありました。

以前からpetaさんのシステムに興味のあった私は、自宅へお邪魔して聴かせて頂いた次第です。

twitter.com

 

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macPC→NADAC→BDI-DC24B→UTOPIAという構成です。

電源は、ISOTEKのTITANから直接HPAへ供給するのが1本、もう片方はPB-HR1000へ分配し、そこからDAC等が繋がっている形で、ケーブルはCHORDを中心に選定されています。

確か、総額は450万円くらいと仰っていました。私のシステムの約5倍です・・・

私が持参した音源バックアップ用PHDDをmacPCに接続し、再生したいフォルダをデスクトップにコピーして、それを手元のスマートフォンでリモート操作するという方法で聴かせて頂きました。

 

 かなり崩壊した文章ですが、感想としては上記のtweetになります・・・

本物の「ノンカラーレーション」であり。

違和感を覚える瞬間が皆無で。

私のシステムと決定的に違うのは、楽曲の音楽性の「掲示の仕方」です。

自室の音は、最初からONの状態で、OFFに切り替えられない。

また、どの楽曲も同じカラーの、色を後付けしたところしか出ていません。

個性の強い、複数の異なるケーブルを組み合わせているのが原因かもしれませんし、電源対策が不十分で微細な情報がまだまだ隠れてしまっていることも考えられます。

対してpetaさんのシステムでは、「楽曲に元々内包されている」音楽性を素直に引き出しているので、その様相は楽曲によって様々に変化します。

基本的には、僅かにモニター寄りでその音楽性は内部に仕舞われているけれど、少し意識を向けるとすぐにその世界に侵入できるようになっている。

こんな体験は初めてであり、ある種の「怖さ」すら感じるほど。

 

さて、今回の視聴では持参の音源を利用させて頂きましたが、petaさん自身は、普段はTIDALとRoonを活用されています。

TIDALはストリーミングサービスであり、Roonについてはこちらの記事を読むとだいたいの内容が掴めると思います。

www.phileweb.com

つまり、自らCDを購入してリッピングした音源だけではなく、クラウド上に存在する無数の音源を気ままに「偶然の出会いを求めて」彷徨うリスニングスタイルを可能にするということです。

しかも、タブレットスマートフォン等のリモート操作によって、家のどこからでも自由に音楽の海を移動することができる。

私が最近思うことは、こうしたネットワークオーディオを活用したリスニングスタイルの場合、これまでの典型的なハイエンドサウンド、豪華絢爛で音の端々に凄みを感じさせるような音は、あまり適さないのではないかということです。

日常生活を営みながら、やや小音量でBGM的に流していながらも、しっかりとオーディオ的クオリティを保ち音楽的な芯を掴める、そういうスタイルが似合いますよね。

その合間に、何か偶然的に心惹かれる旋律を耳にして、何か手を付けていることを中断してオーディオの音量を上げて、じっくりと楽しんだり。

こういうリスニングスタイルは、とてもスマートだと思います。

 

今、私はスピーカーオーディオを前提としてこのリスニングスタイルを想起してみましたが、petaさんのヘッドホンシステムは、ヘッドホンでこのような音が実現できています。

私はヘッドホンアンプの音量を10時ぐらいの位置にして聴いていましたが、petaさんは普段9時より上の音量にすることはあまりないようです。

(私の聴く音量が、特別大きすぎるということはないと思います)

小音量でも、音楽的な芯の部分を十分に把握できるヘッドホンシステムというのは、私は相当ハードルが高いと思っています。

 

こうなると、もはやヘッドホンという枠組みそれ自体が、物理的制約が最後の障害になります。

私は今もヘッドホンオーディオ続けてますし、デスクに向かって椅子に座ってヘッドホン装着して、ネット巡回しながらPCオーディオをやる「オタク」なスタイルが性に合っているんですが、やっぱりPCの前に身体が固定されるというのは窮屈に感じる方もいるのでしょう。

 

ヘッドホンシステムを売却されるにあたって、ではスピーカーシステムに何を導入されるのか、petaさんに大まかな構想を語って頂きました。

ここでは詳細は伏せることにしますが、私は「なるほど」と納得できるものでありました。

 

 

この度は貴重な体験を提供して頂き、本当にありがとうございました。

この場で改めてお礼申し上げます。

DACの、さらに上流へ

 DDCとして、ifi audio 「iONE」を購入しました。

同軸RCAケーブルは、Chord「Shawline」を選定。

 

Chordのケーブル、最近とても人気のようです。

私も今回使ってみて、よく意味が分かりました。

これほど、自らはキャラクターを持たずに、なおかつ音楽性を殺さないケーブルは希少でしょう。

それでいて基礎性能が非常に高い。実売3万クラスでこの質感は、まず出ません。

ふわっとした軽さを伴いますが、Transparentのような抑鬱を催すこともなく。

優等生的存在でも、SAECのような神経質な面を出しません。

システム全体をChordのケーブルで統一しても、音楽的につまらない音にはならないだろうと思います。

また、私のように個性の強いケーブルを複数導入している場合、色を残しながら全体を俯瞰させて一本の軸に通すパイプの役割を持たせることもできます。

 

次は、ifi audio「iONE」について。

同軸出力がガルバニック絶縁されるという点に魅力を感じて購入しました。

この効果については、他のDDCを所持していないので比較できませんが、純粋な音質としてはかなり高いレベルにあると思います。

 

さて、私はPAGODA DAC導入についての記事で、このような記述を残しました。

rays.hatenablog.com

元々PAGODA DACに搭載されているUSBレシーバーはJPLAYと相性が良くないです。

CS8416はKernelStreaming非対応で、動作エンジンはClassicに、実質的に限定されてしまいます。

 ifi audio 「iONE」を導入したもうひとつの理由は、JPLAYの動作エンジンをULTRAStreamに対応させることでした。

そして、この音の変化、いや向上は劇的と言っていいレベルなのです。

DACは同じPAGODA DACなのに、DDCを追加しただけでDAC自体を1ランク上のものに替えたのではないかと、私自身も驚くほど。

 

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設定項目は、常識的な範囲で抑えてあります。

レイテンシーを極端に小さくしたり、DACLinkを700Hzに上げてみたり、色々試してはみましたが、私の求める方向の音楽性は、これらの手法では得られないと判断しています。

せっかくマルチビットDACの芯のある音、骨格感を作り出すことができたのに、DACLinkを上げていくと、線が細い、どこか粉っぽい質感になっていきます。

また、「音が速すぎる」のです。自然な「タメ」がないというか。

音だけが事前の気配なくいきなり飛んでくるみたいな感じです。

 

これらの設定よりも、DDC導入によってデジタル領域の処理が理想状態に近づいたこと、JPLAYの動作エンジンがULTRAStreamに対応できたことの方が、より重要であったようです。

 

 

下流は「音の外側」音の力感、押し出しや輪郭を。

上流は「音の内側」と表現できるでしょうか。

音の表情は、少しでも上流を気にかけてあげると出てくるようになる、というのが私の経験から言えることです。

DACは、表情よりは「音の分離」の方かなと思います。

今回、DDC導入+JPLAY動作環境の向上により、何が獲得できたかということを比較してみると、上記の結論となるんですね。

「音色はいいのに、たまになぜか音楽に入り込めない」感覚がPAGODA DACにはあったのですが、そういうことがなくなりました。

 

 DDC導入のもうひとつのメリット。

将来的に、DAC更新の機会があった際に選択肢が増えるのです。

きちんと物量が投入され、しかも現在の市場価格よりも相対的に安価な製品が、まだまだ眠っているのでは?

(状態の良いモノを選定すること・アフターサポートの問題はあります)

「音楽性」と「容量」と「音の良さ」

 

artist.cdjournal.com

民族系音楽の世界を、打ち込みのシンセと生音のイーリアンパイプを融合して表現されています。

 

今から11年前、当時高校生だった私はashaさんの「I breathe the cosmos」を音楽系SNSmuzie」で発見し、毎日のように聴いていました。

もちろんPCにDLしていたのだけど、この5年程度は同人CDを大量に購入するようになり、muzie経由のmp3音源は、そのほとんどを削除していたのでした。

(かつてmuzieで公開されていた曲も、CD化されているものは購入し置き換えているため)

I breathe the cosmosも、HDDから削除した曲のひとつ。

「聴きたくなったら、またmuzieでDLすればいい」と思っていたのですが・・・

何と、今年に入ってmuzie自体がサービス終了により閉鎖してしまいました。

 

これには大変ショックを受けました。

この曲に限らず、CD化されていないけれど個人的には思い入れの強い楽曲がまだまだ存在しているのですから。

HDD整理をしていた時期、「mp3音源は、思うように鳴らないな」と感じていました。

しかし、現在の環境、特にPAGODA DAC導入以降はmp3音源も、flacと遜色ないレベルで楽しめるようになっているのです。

猛省に尽きますね。。。

かつて、音楽よりも「音」に意識が向き過ぎていた時期があり、やはり圧縮音源はダメだという固定観念がいつの間にか染み付いていたのだと思います。

 

そもそも、楽曲の内包する音楽性とファイルの容量(flacやmp3)は本質的には関係がない。

音質(「音」の良さ)とファイル容量は、それだけを抽象すれば比例関係すると言えなくもないですが、それだって楽曲の音楽性を完全に切り離して捉えることができるものではないのです。

さらに言えば、元々のCDの時と、ハイレゾで仕上げ直す際にミキシングを露骨に変えてくる例はいくらでもあります。その際の「腕前」によって音楽性は復活することもあれば、完全に破壊されることもあります。

これは私の好みが多分に入り込んでいますが、S/Nを無理に上げようとすると音楽性はなぜか失われていることが多いです。

 

話を冒頭に戻します。

「I breathe the cosmos」CD化されていることに気付きますが、時既に遅し。

どこにも流通在庫がありません。中古を探してみるも、駿河屋にもない。

半ば諦めていたのですが、運良くヤフオクに出品されていました。素早く確保。

 

10年の時を超えて、今再び。

 

あぁ、音楽性は「思い出も『込み』」なのだ。

同じ曲を毎日聴き続けるということ

 

「音楽性」について、twitterのDMを用いてある方とやりとりしていました。

直接的な引用は控えますが、私の方で再度総括するとすれば、

「オーディオマニアでも『音楽を聴いていない』人はたくさんいる」ということでしょうか。

 

出発点が「機械そのものに対する興味」から始まっている場合、この傾向は強く現れます。

趣味性と「モノ」を所有する満足感というのは、やはり切っても切れない関係にあります。

理系脳な方は、天板を外してアンプの中身を実際に見てみたいという欲求に駆られるらしいですが、私にはそういったものは皆無です。

 

また、音楽に対する興味はあっても、そこからオーディオ機器に対する興味に繋がらない人もたくさんいます。

というか、たいていの人はそうでありましょう。

それでも不思議なことに、そうした方がふとしたきっかけにオーディオに興味を持ち、機器を購入するとなったときに、予備知識は機械に対する興味を持っている方に比して浅いにもかかわらず、「音楽として鳴る」ものを選ぶことができるようなのです。

対して、機械マニアが選択する機器というのは、傾向としてはHi-Fiに偏り、個々の音を分離させ、それぞれの音に対して全て一定の距離感でフォーカスを合わせるといったもの。

 

どちらが良いか悪いかという話ではないのです。そういう対比、傾向があり、当人がその音に満足していれば、それでいいのです。

ただ、オーディオマニアな方というのはどうも機器をとっかえひっかえしているイメージが強く、本当に今現在の音に満足しているのか、いまいち掴み切れない。

 

音を変えることも楽しみのひとつですから好きにして頂ければよろしい、けれども何か軸を据えなければ、その終わりはありませんよ?と。

 

 

また枕が長くなりました。ようやく記事タイトルの中身に入ります。

私は基本的に、気に入った同じ曲を毎日聴く傾向があります。

Libraryに7000曲入っていますが、その中の300曲にリスニングタイムの40%近くを割り当てるのですから、かなり偏っています。

そして、つい先日、「ロリィタノイロォゼ」りみゆさんの楽曲が、合計10000回の再生を超えました。

「ここまで同じ曲を何度も聴いて、飽きないの?」

いいえ、全くそんなことはありません。

それどころか、つい最近また新たな発見がありましたよ。

それが何なのか、言語化できる領域に降りてきてないのですが。

 

話を冒頭の部分と繋げますと、自らの中に「音楽性の基準を染み込ませる」には、やはり同じ曲を毎日繰り返し聞き続ける、これしかないのではと思います。

一番簡単で、確実な方法です。ただし、「この1曲との出会い」が必要です。

今は「消費されて消えていく」楽曲ばかりがメジャーシーンで溢れている世の中ですが、世界は思いがけず広いものですから、よくアンテナを立てていれば、必ず見つかります。

自分のこと、周辺のことが上手く行ってないとき、そういうときこそ見つけるチャンスですよ。

 

オーディオ的感性を磨くにも、「同じ曲を毎日繰り返し聴く」というのは確実な手法です。

「それでは特定ジャンルにしか対応できない」という反論は成り立ちます。

私が言っているのはそうではなくて、「変化を知覚する」にはそれが一番確実であるということです。

既に100回聴いているから、その何回か後に機器を替えた、ケーブルを交換した、セッティング、置き方を変えたことに対してその違いを認識しやすくなる。

これが回数を増すごとに、そのアンテナが研ぎ澄まされていく。

趣味性とは「小さな変化の積み重ね」であり、それが10回の変化で普通の人が知覚できるものを、より少ない回数で掴み取ることができるようになります。

 

私の経験から言えば、「音」の変化だけなら結構簡単ですが、そこから「音楽の内面に入る」までの壁はかなり高いです。

私の場合、「脳内で情報を補完する」聴き方ができないので。

特に弾き語り系の生録って、場の気配とか指先のタッチが見えるようになるまでに相当な情報量が必要なんですよ・・・

これを超えることができると、そこからの微細な変化の一瞬一瞬が本当に楽しくて仕方なくなります。

 

*お知らせ(?)

camp-fire.jp

私からも出資させて頂きました。趣旨にご賛同頂ける方は、ぜひぜひ。

tweeted pick up ①

 

 

 

 

今がお買い得?(あまり出回りませんが)nanotec-systems Power Strada 3J

DAC更新後、1ヶ月程度ですが既にケーブル類で調整を始めております。

 

まず最初に目を付けたのが、私がこれまで「基準」としてきた、ジョデリカ無メッキプラグ「ETP-850 ,320CU」でした。

システムに2箇所、SAEC AC-7000・zonotone NeoGrandioに装着していますが、今回はzonotoneにご退場願いました。

PAGODA DACによってmidの厚みは十分に確保できているので、両端のレンジ拡大を考えたときに、外すならここかなと。

 

今回は表題の通り、nanotec-systems Power Strada 3Jを購入しました。

 

netmall.hardoff.co.jp

かなりプラグの状態も良好で、数回の抜き差し程度の擦り線が入っている程度。

これが35k+税とは、とてもお得です。

なぜなら、装着されているプラグはフルテック FI-50 , FI-50 (M)。

これを揃えただけでも4万円なので。

ケーブル部のPower Strada 306は廃盤ですが、当時1m=8000円ぐらい?

今では貴重なPCOCC-Aです。

 

完成品のケーブルというのは、プラグと切り売りケーブルが単品で販売されていたとしても、その合計の2倍の値段というのはよくあることで、PowerStrada 3Jも販売当初の定価は10万円でした。

それも次第に値下がりしてディスコン直前は7万程度。PCOCC-Aの供給停止に伴い廃盤となると、確かにこの中古価格も理解はできる設定ではあります。

 

海外製ケーブルの多くは、10万円を超えるような製品でもプラグはLeviton・HUBBELL・Wattgate等の安価なものがアッセンブルされていることが多いです。

以前PAD AC TANTUSのLeviton製プラグをoyaide M1,F1に換装した記事をupしましたが、性能、音楽性双方に大きな向上をもたらしました。

rays.hatenablog.com

これらの経験から、最近ではケーブルというのは導体の純度よりも構造、そしてそれより重要なのは実はプラグの方ではないかと思うようになっています。 

 

 

-Sound Impression-

PAGODA DACにPAD AC TANTUS (oyaide M1,F1)

DCHP-100にPower Strada 3Jという配置にしました。

FI-50プラグとPCOCC-A導体の組み合わせにより、やや高域にはアクセントが入ります。

少なくとも、IntensoをDACとしていた時期であれば高域のコントロールが難しかったでしょう。

金・銀の微粒子含有コロイド溶液の効果については、よくわかりません(

あまりそこには興味を持たずに購入していますので。

 

今回はプラグに視点を置いて記述します。

フルテックFI-50は、気品や透明感といった要素に働きかける印象です。

まだバーンインが十分ではないので、もう1ヶ月は経過を見る必要がありそうですが。

oyaide M1,F1は、どちらかというと音の骨格や力感といった部分で底上げを図るタイプですね。

システムに両方を組み合わせることで、両端のレンジの広さ、音像の彫りの深さ、力感といったオーディオ的基礎能力と、気品や透明感などの美的要素を両立させることを「目指す」ことができます。

 

PAGODA DACに更新してからの変更点は、今回の1箇所のみですが、実は既にかなりバランスが取れてきたので、もうこの辺りで調整は打ち切りにしようかと思っています。

私の目的は「音を変化させることそのもの」ではありませんので。

「好きな曲なのに、楽しく聴けない」なんて、そんな不幸なことがありますか

DAC更新が視界に入ってから、実際の購入までには1年を要しました。

その間、様々な機種を視聴し、視聴できそうにないものは雑誌やネット上の僅かなレビューを拾い集める日々が続きました。

 

そして私が今年の4月に下した結論は、「ハイエンドDACは、私には必要ない」

 

ここで私が「ハイエンド」と設定した製品は、実売50万円以上なので、人によってはまだまだミドルクラスと判断されるかと思います。

しかしながら、私にとっては、「値段が上がるほど、音がつまらなくなる」としか感じられないのです。

exasound e22 mk2も。

DIDIT Hiend DAC212SEも。

 

理由は、わかりません。

ただ、「20万以下のエントリークラスのいくつかに備わっていたものが、Intensoには確実に感じられた『何か』が、ハイエンドDACには失われている」

それだけは確かな実感として、ありました。

 

では、私はどのDACなら失敗しないのか。

DDCを挟んで、USB入力を搭載していない古いDACを買う」

リスクが高いです。探してみても、単体DACというのは思った以上に少なく、CDPとの一体型が、かつての主流のようでした。

そもそも、デジタル技術が進歩したから、私の指し示す『何か』が失われたというわけではないような気がします。

 

いつの間にか、私は「高性能なものへ買い換える」という去年の発想を捨て去っており、「今までとちょっと違う音にしたいな」という、"ライトな"方向に転換していました。

でもそれだったら、わざわざ20万かそこらを出して購入する気には、ならないなぁと思うようになっていて。

 

いくつか候補をkeepしておきながら、実際には決断しない悶々とした日々。

あるとき私は、聴いたこともなければ名前すら知らなかった製品を、偶然見つけることになります。

Mhdt lab Pagoda DAC

http://dhost.info/mhdtlab/Pagoda%20balanced.htm

 

PCM1704マルチビットDAC×4 

GE5670真空管出力バッファー

見た瞬間、何も知らないのに第一候補になりました。

「マルチビットDACとは何か」購入した後から、何となく調べるぐらい適当です。

私はあまり技術的なことを気にしないんです。本当に買うときは直観のみ。

 

もうひとつ、候補に挙がっていたものにEXOGAL Comet DACがありましたが、

http://www.axiss.co.jp/brand/exogal/comet/

こちらは結局選ぶことはなく。

 

PAGODA DACを取り扱っているMhdt labですが、国内代理店は存在しません。

しかし、ある方から「コンタクト」があり、それによって購入することができました。

日本仕様AC100Vとなっています。

 

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さて、このDACですが、今までの私のPCAudioに対する常識が全く通用しません。

JPLAYを使用しない、WASAPI出力が一番音が良いと感じられるのですから。

こんなことは今までありえなかった。

Northstar Design Intensoでは、WASAPIとASIO、そしてJPLAYを経由するそれぞれの出力において明らかに音質の差がありました。

特に、WASAPIは常用に耐えるものではなかった。PAGODA DACでは完全に逆転現象が発生しています。

 

ここで、PAGODA DACにおいて私が「音が良い」と言っているときに、「解像度や分離」を指しているのではないことを明記しておく必要があります。

こういった要素は、PAGODA DACではどの出力方式でもほとんど違いがありません。

まずそれ自体が驚きなんですが、WASAPIが一番聴いていて私のイメージする「音楽的である」音に一致します。逆に、JPLAYを通すとその「音楽性」は失われている。

 

*6/5 加筆修正

元々PAGODA DACに搭載されているUSBレシーバーはJPLAYと相性が良くないです。

CS8416はKernelStreaming非対応で、動作エンジンはClassicに、実質的に限定されてしまいます。

それでも、JPLAYの諸設定とASIOデバイスのバッファー調整を緩めにしたところ、常用に違和感ないレベルまでには向上し、「音楽性」も感じられるようになってきています。

 

もうひとつ。PAGODA DACは貴重な特質を持っています。

「音源の音質の良さに関係なく、あらゆるものに対して音楽的な『芯』の部分を掬い上げることが出来る」ということ。

これは、「音質が悪いとされる音源を、悪目立ちさせずにそれなりに再生する」こととは少し意味が異なります。

 

最近流行りのESSの音は、「オーディオ的な美音」演出のために中域の一部分を僅かに引いている、と仮に想定するならば、このPAGODA DACのPCM1704は、とにかく「全てを出し切る」ことが前提となっているように思われます。

つまり、ESSのDACは、元々厚みのある今時の音源に対して、適度にバランスを取って「引き算」する再生には強みを発揮します。

しかし、それだけでは私のmusic Libraryの全てには対応できていなかった。

 

PAGODA DACがシステムに組み込まれて以来、Intensoではあまり聴かなくなっていた音源を、楽しく聴けるようになりました。

http://lolita-neurosis.biz/eve.htm

2011年リリース、ロリィタノイロォゼ1st~6thアルバムのベストリマスタ盤「イヴ」

現在は、2016年に発売された1st・2nd再録「lilin」

http://lolita-neurosis.biz/lilin-cd.htm

今年の春M3新譜 3rd・5th・6th再録「a little bit inside/insight」

http://lolita-neurosis.biz/albii/index.html

により、一部の楽曲は3回目の再録となっています。

 

Intensoを使っていたときは「lilin」と「a little bit inside/ insight」を買って以来、『イヴ』は、実はあまり聴いていなかったのだけど、PAGODA DACを購入してからは、この『イヴ』も、よく聴くようになりました。

底に滞留するノイズ成分が、音楽的な芯の部分を伝える上では、マイナス要素にならないのです。

「Go Under」が、代表曲として10年間愛され続けてきた、その変遷を辿ることができます。

こんな嬉しいことは、ありません。

 

 

オーディオは、どこまで行っても私的な領域だと思います。

近年では、邦楽CD売上トップ30が、まるで指標として意味を持たなくなったようです。

だから日本の音楽は衰退した、そんなわけはありません。

「多様化」したのです。100人いれば、みんな異なる曲を聴いている、とまではいかないかもしれませんが。

世の中、優秀な録音ばかりではありません。

オーディオを既に取り組んでいる方で「今現在、うまく鳴らないけれど、その音楽は好きだ」というものが、おそらくあるのではないでしょうか。

 

「悪いものは悪く」再現して、何の意味がありましょう。

「音楽がそっけなく感じられるが」なんていう表記が、web上でオーディオ評論家から出てくるのは、なんだかおかしな方向に向かっているように感じます。

 

 

「録音品質が良かろうが、悪かろうが、それに関係なく、楽曲独自の音楽性を引き出せる」

それが幸福への近道であると、私は思います。

 

 

P.S.

本文は以上にて終わりますが、この記事に関連する過去のtweetを随時pick upしていきます。

次回ブログ記事の構想が固まった段階で、twitterからの捕捉は打ち止めとなります。